東芝「うぐいすKS」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその5 > 東芝「うぐいすKS」修復記

修理を依頼された、東京芝浦電気(TOSHIBA)の「うぐいすKS」 の修復をして見ました。


修復前の様子。B電源とパイロットランプ用に小型トランスを使用した、セミトランスレスラジオである。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、一般のトランスレスラジオのラインナップである。


修復前の内部様子。セミトランスレスなので、入力電圧切り替え用の、ヒューズホルダーが見える。埃がものすごい。


回路図も綺麗に残っています。


修復前のシャーシー上部の様子。ものすごい埃に覆われており、キャビネットはタバコのヤニで黄色くなっている。状態は悪そうだ。パイロットランプは3個中2個が球切れであった。


修復前のシャーシー内部の様子。修理や事故の跡は見られないが・・・。


修復が完了したシャーシー内部の様子。信頼性の低い全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンの漏洩電流は、合格レベルだったので、そのまま使用した。ボリュームにガリが有ったが、接点復活剤を塗布したら良好になった。


修復が完了したところ。プラスチックのキャビネットは水洗しすっきりになりましたが、一部変色した部分は、色が落ちませんでした。パイロットランプ用にトランスが付いているので、パイロットランプが明るくてよろしい。真空管が暖まってくると、音量が変わったり不安定になったが、原因は出力管の30A5の不良であった。新品に交換して問題無さそうなので、完了とする。大切にお使いくださいね!

以上交換部品代は約1,700円、修復作業時間は約5時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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