ゼネラル「STEREO」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその2 > ゼネラル「STEREO」修復記

修理を依頼された、八欧電機(GENERAL)の「STEREO」 の修復をして見ました。


修復前のシャーシー上部の様子。父の形見という大型ステレオから、内部を取り出したシャーシーが修理にやって来た。通電したら、一応鳴ったが、すぐにヒューズが飛んだそうである。使用真空管は本体では、12DT8、12BA6、12BE6、12BA6、12BA6、6AV6、12AU7A、12AU7A、12AX7、30A5、30A5、30A5、30A5である。


修復前のシャーシー上部様子。大型のステレオらしく、真空管が多数配置されている。基本的にはトランスレス回路であるが、ヒータートランスも配置されており一部の真空管とパイロットランプを点火している。


復前のシャーシー内部の様子。かなり複雑である。普通のラジオの3倍以上の部品点数である。信頼性の低いペーパーコンデンサーは、この頃は使用されていないが、その代わりオイルコンデンサーが多数使われている。これらも交換が必要である。


これをご存じであろうか。確か「リバーブ」とか「エクスパンダー」とか呼んでいたと記憶するが、出力を振動で物理的にバネを振動させ、それをピックアップで入力に帰還させて機械的に遅延させ、エコー効果を得るしくみである。


こちらはMPXユニットであろうか?FMのテレオ放送を受信する為の、オプションであった。こちらの真空管は、12AT7、12AU7、12AU7である。


MPXユニットのシャーシー内部の様子。こちらもたくさんオイルコンデンサーが使用されている。


本体シャーシー内部に、豆電球を2個発見した。これは、左右のB回路の電流ヒューズとして使われているのであろうか?


電源の1次側のコンデンサーは破裂していた。ヒューズが飛んだ原因はここであろう。ここに使われるコンデンサーはACラインバイパス用の安全規格を満たした物を使う必要があります。


修復が完了したシャーシー内部の様子。すべてのオイルコンデンサーとケミコンと電源コードを交換しました。ブロック型のケミコンは漏洩電流も少なく、このまま使用することにしました。


修復が完了したMPXユニットのシャーシー内部の様子。こちらも普通の5球スーパー並の部品点数がありました。全てのオイルコンデンサーとケミコンを交換しました。


エクスパンダーのツマミを回すとドラムが回転し、音の広がり具合が視覚的に表示される仕組みであるが、残念ながらコイルの断線で、エクスパンダーは動作していない。


修復が完成してテストしているところ。写真にはスピーカーは1個しか写っていませんが、2個繋げてます。必ず左右取り付けてお使いください。FMはアンテナを付けないと鳴りません。またトランスレスなんで、シャーシーに触れると感電の危険性があります。電源プラグのN表示側を、コンセントの接地極側に挿すと感電しませんので、お守りください。ではお父様の形見のステレオ、大切に末永くお使いください。

以上交換部品代は約6,000円、修復作業時間は約15時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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