日立「エーダ、S−539」修復記
(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその6 > 日立「エーダ、S−539」修復記
修理を依頼された、日立製作所(HITACHI)の「エーダ、S−539」 の修復をして見ました。
修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、トランスレスラジオの標準である。店で使っていたが、5年ほど前に故障したとの事で、修理にやってきた。結構使い込まれているのであろうか?真空管の状態が心配だ。
修復前の内部様子。真空管ラジオでは珍しい、当時としては斬新なプリント基板を採用している。思ったとおり、一部の真空管がかなり劣化しており、交換した。
内部には、回路図や真空管配置図などが貼られている。
修復前のプリント基板上部の様子。この頃になるとさすがにペーパーコンデンサーは使われておらず、オイルコンデンサーになっている。よく見るとヒューズに3Aの物が付いており、整流管の35W4のヒーターが切れている。事故があり、ヒューズが3Aと大きいので、ヒューズより先に貴重な整流管のヒーターがヒューズ代わりに断線した様子だ。ヒューズに大きな容量を使うとこんな事が起きますので、注意しましょう。ヒューズは0.6A〜0.7A程度で十分です。
修復前のプリント基板下部の様子。ダイアル指針が動くレールが固定されており、ちょうどレール下の部分は半田が外せずに、部品交換が出来ない。メインテナンス上、問題有りだ。今回もコンデンサー1個が半田が外せずに、リード線を切って半田付けした。
キャビネットは水洗し、綺麗さっぱりとなりました。
修復が完了したプリント基板上部の様子。全てのオイルコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流を確認したら良好だったので、このままとしました。
修復が完了したところ。柔らかな音で楽しませてくれます。大切にお使いくださいね。
以上、修復作業時間は約4時間、交換部品代は約2,200円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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