日立「S−538」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその5 > 日立「エーダ、S−538」修復記

修理を依頼された、日立製作所(HITACHI)の「エーダ、S−538」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)とオーソドックスである。


修復前の内部様子。内部は汚れも少なく、綺麗な状態に見えるが・・・。


何と、オリジナルの段ボール箱入りである。


修復前のシャーシー上部の様子。内部には埃がたくさん溜まっていた。


修復前のシャーシー内部の様子。修理の跡は見られないのであるが・・・。出力管辺りのペーパーコンデンサーのパラフィンが発熱によって溶融し、ソケットまで流れ込んで凄い状態であった。


プラスチックのキャビネットは、完全分解して洗浄し、すっきり綺麗になりました。


良く見ると、電源の1次側をまたぐコンデンサーが破裂している。依頼主の方が通電していたら音がして通電しなくなったとおっしゃっているのは、このコンデンサーが破裂してショートして、ヒューズが飛んだと思われます。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。切れたヒューズと、絶縁不良防止の為に、豆球ソケットも交換しました。ケミコンは漏洩電流も少なく良好なので、このままとしました。


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。是非とも大切にお使いくださいね。

以上、修復作業時間は約4時間、交換部品代は約1,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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