レムラー「8球スーパー」修復記
(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその3 > レムラー「8球スーパー」修復記
修理を依頼された、レムラー(REMLER)の「8球スーパー」 の修復をして見ました。
修復前の様子。電池管式の8球スーパーラジオである。いつもお世話になっているばざーらさんからの修理依頼品である。使用真空管はUV−199(発振)、UV−199(混合)、UV−199(中間周波増幅1)、UV−199(中間周波増幅2)、UV−199(中間周波増幅3)、UV−199(検波)、UV−199(低周波増幅1)、UV−199(低周波増幅2)である。中央に電圧計が付いている。
修復前の内部様子。スーパーだけあって、かなり複雑である。
低周波増幅部の様子。
同調回路の様子。2連バリコンになっておらず、同調と局部発振が別々に調整出来る様になっている。
本体にはこんなシールが張ってあった。1924年5月と記載されているが・・・?
使われているUV−199という真空管が8本である。これだけ並べればかなり高そうである!このラジオ用に新たに作製した電源にて修理を実施する事にする。
内部には、C電源用のバイアス電池が残されている。C電源は電流が流れないので、まだ電圧が出ている。
中間周波3段増幅なんで、内部にはIFTが4個搭載されているが、幸いな事に断線は無い。中間周波数は実測してみると、70KHz前後に同調している。ずいぶん低い周波数である。
低周波トランスは、2段目の1次側が断線しており、CR結合となっている。
中央の電圧計は、フィラメント電圧を表示する。
内部の発振コイルは、回転式で結合量を調整するらしいが、回転ツマミjは外部に出ていない。
本体左側のツマミ。両方粗動と微動が出来る。中央下の小さなツマミは、ミゼットバリコンが付いているが、何であろうか?
本体右側のツマミ。マスターのレオスタットで全体のフィラメント電圧を、ボリュームのレオスタットでは、IF段のフィラメント電圧を調整出来る。出力も信号に応じて3段階から取り出せる。AVCが効いていないので、この様な回路なのであろう。
修復が完了したところ。本来はループアンテナが同調コイルとなるが、外付けループアンテナが欠品なので、自分で巻いた同調コイルを内蔵させた。当初は局部発振がうまく発振せず、かなり苦労させられた。低周波2段目の結合トランスの断線は場所的に取り外しが出来ず、CR結合のままとした。
修復が完了したところ。あまり音はよろしくないが、一応鳴る様になった。修復には回路も資料も無く、苦労した1台であった。
以上、修復作業時間は16時間、交換部品代は約1,000円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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