ナショナル「RC−81BW」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその5 > ナショナル「RC−81BW」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「RC−81BW」 の修復をして見ました。


修復前の様子。物心付いた頃から自宅に有ったラジオで、捨てるに捨てられずに修理したいとの事で、266番のラジオと一緒に修理にやってきた。使用真空管は、オリジナルでは6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、6Z−P1(電力増幅)、KX−12FK(整流)であるが、UZ−6C6とUZ−42とKX−80BKが刺さっていた。この構成でも鳴ることは鳴るのですが、いろいろと不都合があるので、整流管を除いてオリジナルに戻す事にします。キャビネットに虫食いがあり、保存状態はあまりよろしくない様だ。おまけにUZ−6C6は不良であった。こちらもマジックアイが付いていない廉価版である。


修復前の内部様子。裏蓋が欠品である。ダイアル糸も切れている。


修復前のシャーシー上部の様子。これもトランスの電圧切り替えヒューズに、85Vと100Vの両側に、電流値の大きなヒューズが付いていた。これはショートさせているので、危険な状態である。どうしてこんな事をするのであろうか?困ったものだ!


修復前のシャーシー内部の様子。かなり汚い!ケミコンを1個追加した跡が見られるが、他に修理の跡は見られない。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのコンデンサー類と抵抗を交換しました。断線の予想される出力トランスも交換しました。電源コードは、在庫限りの袋打ちコードと丸形プラグに交換しました。ダイアル糸も張り直しました。PU切り替えスイッチが接触不良でボリュームを交換しました。トランスファー接点のボリュームは特注品で高価です。


修復が完了したところ。ガンガン鳴ってくれます。思い出の品、大切にお使いくださいね!

以上、交換部品代は約6,700円修復作業時間は約8時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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