コロンビア「R-626」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその4 > コロンビア「R-626」修復記

修理を依頼された、日本コロンビア(Columbia)の「R-626」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80(整流)、EZ−6E5(同調指示)であるが、整流管は80ではなく80HKが刺さっているので、オリジナルに戻す事にする。


修復前の内部様子。(球は外してあります。)調子が悪いなりに鳴ったとの事でしたので、部品の大きな故障はないと思われます。フィールド・ダイナミック・スピーカー搭載の高級機である。


マジックアイは、何とトーヨーの新品が付いていた。これは貴重品である。


キャビネット下には、回路図も残っている。


修復前のシャーシー上部の様子。埃をエアガンで吹き飛ばし、綺麗にしました。


修復前のシャーシー内部の様子。電源コードが交換されている以外、修理や故障の跡は見られない。電源とトーン調整のロータリー・スイッチのカチカチ感が無いので、分解して調整し良好になった。ボリュームもガリがひどいらしいが、現在PU切り替え用の3Pスイッチ付きVRは特注品で高価なので、相談の上PU切り替えを殺してVRを交換することにする。真空管は試験したが、出力管など一部劣化が見られた。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのコンデンサー類と抵抗類を交換しました。この頃の出力トランスは、巻線の材質が悪く断線の恐れがあるので、念のために交換しました。シャーシー後ろ側には、マジックアイの消灯用のスイッチを取り付けました。普段は消灯して、貴重なマジックアイの消耗を防いで大切にお使いください。


修復が完了したところ。各種試験や調整後、問題なさそうなので完了とする。さすが音響メーカーだけあって、フィールドダイナミックスピーカーに加え、チョークコイルも実装した贅沢な作りなので、ハム音は少ない。是非とも大切にお使いくださいね。


その後依頼主の方から、ラジオを使用している様子の写真をお送り頂きました。大切に使ってくださいね!ありがとうございました!

以上、交換部品代は約6,500円、修復作業時間は約10時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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