ナショナル「R−10」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその4 > ナショナル「R−10」修復記

歴史の資料にと、東京都のY・A様から寄贈された、松下電器製作所(NATIONAL)の「R−10」 の修復をして見ました。


修復前の様子。ものすごく小型のラジオである。使用真空管は、UY−24B(再生検波)、UZ−47B(電力増幅)、KX−12B(整流)であるが、3球だけにかなり感度も悪く音も小さいらしい。アンティークラジオ展示会ここにも修理の記録がある。


修復前の内部様子。真空管の大きさから想像して、いかに小型かお解りになるであろう。


銘板もご覧のとおり。この頃は松下無線ではなく、松下電器製作所と社名の記載がある。


修復前のシャーシー上部の様子。戦前のラジオにしては、錆も少なく、保存状態も良い。真空管はそれぞれ交換性のあるUY−57S,3Y−P1,KX−12Fに置き換えられている。


修復前のシャーシー前面の様子。幸いな事にマグネチックスピーカーのコイルは断線していない。


修復前のシャーシー内部の様子。ブロック型のペーパーコンデンサーが絶縁不良で発熱したらしく、大量のタールが出て来ており、大変汚い。内部はシャーシーが小型なので、部品の実装密度がものすごく高いが、大型のブロック型のペーパーコンデンサーを取り外すと、意外とすっきりするであろう。


汚いブロック型ペーパーコンデンサーを取り払い、電源平滑用のチョークコイルも交換しました。これでスペースも余裕が出来て、修復もやりやすくなります。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全ての抵抗やコンデンサーを交換しました。チョークコイルも交換しました。これで安心して使用出来ます。


修復が完了したところ。パイロットランプがないので、少し寂しいのである。思ったより音も大きく、感度もそんなに悪くありません。ローカル局を聞く分には、全然問題はありません。この度は貴重なラジオを寄贈して頂き、本当にありがとうございました。大切に保管致します!

貴重なラジオを寄贈頂いた東京都のY・A様、本当にありがとうございました。ご覧の様にしっかりレストアして大切に保存致します。

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約2,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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