コンサートーン「M−57」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその3 > コンサートーン「M−57」修復記

修理を依頼された、タイガー電機(CONCERTONE)の「M−57」 の修復をして見ました。


修復前の様子。いつもお世話になっている国産古典ラジオ委専門店の「ばざーら」さんからの修理依頼品である。使用真空管は、UY−57(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)である。ツマミは外してある。


修復前の内部様子。キャビネットに虫食いが見られ、粉が落ちてくる。シャーシーに錆は少ない様だ。


銘板もこのとおり残っている。


修復前のシャーシー上部の様子。かなりの埃が積もっていた。


修復前のシャーシー内部の様子。修理や改造の跡は見られない。チョークコイルと段間の低周波トランスが断線している。幸いな事に、マグネチックスピーカーのコイルは導通があった。


このラジオの電源プラグは、ご覧の様に刃の部分が平らではなく、丸い棒状である。現在のソケットには挿す事が出来ない。昔はこんなプラグの規格が有ったのであろうか?初めて見る形状なのである!


修復が完了したシャーシー内部の様子。全ての抵抗やコンデンサーを交換し、断線していたチョークコイルと低周波トランスを交換しました。シャーシー上部は当時のままの外観としてあります。電源コードも新品の袋打ちコードに交換しました。


修復が完了したところ。キャビネットもかなり綺麗になりました。少し再生が強めでピーピー音が大きいが、戦前のラジオの独特な音を楽しませてくれる。絶縁試験など良好であった。問題無さそうなので完了とする。

以上、修復作業時間は約11時間、交換部品代は約5,600円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

このページが少しでもお役にたった場合は、下記をクリックし、拍手(?)をお願いします。
拍手する

匿名でも結構ですので、是非ともアンケートにご協力お願いします!また、ご意見ご感想はこちらまでお願いします。(こちらは匿名と携帯メールはご遠慮下さい!)

inserted by FC2 system