ヘルメス「形式不明」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその4 > ヘルメス「形式不明」修復記

修理を依頼された、大阪変圧器(HERMES)の「形式不明」 の修復をして見ました。


修復前の様子。ダイアルにはECHO RADIOとあるが、トランスはヘルメスの記載がある。使用真空管はUY−24S(高周波増幅)、UY−24S(再生検波)、3Y−P1(電力増幅)、KX−12FK(整流)であるが、オリジナルはソケットの刻印から、24B、24B、47B、12Fであったらしい。


修復前の内部様子。幸いな事に、マグネチックスピーカーのコイルの導通がある。


修復前のシャーシー上部の様子。汚れや錆びが見られる。


ダイアルは当時人気が有ったエアプレーン・ダイアルであるが、目盛りは0〜100で周波数の表示は無く、ECHO RADIOと記載されている。


電源トランスには、HERMES(大阪変圧器)と記載があるが、オリジナルかどうかは怪しい?


修復前のシャーシー内部の様子。はちゃめちゃに修理?改造?されて、いじくり回されている。これは完全分解して、組み立て直しした方が良さそうだ。


電源トランスは取り外して分解し、安全の為に入出力線を布巻き線から、ビニール線に交換しました。やはりこのトランスは後付けされた物らしい。


電気回路の修復が完成したシャーシー内部の様子。全ての配線をやり直しました。チョークコイルや低周波トランスもばざーら製の新品に交換してあります。保管場所が湿度が高かったのか、ヒューズホルダーやスピーカーの出力端子などのペークライト板が炭化しており絶縁不良で使用出来ず、バイパスをした。他にも絶縁不良が有りそうで試験中です。


修復が完了したところ。マグネチックスピーカーはかなり磁力が低下しており、感度も悪く音が小さい。あちらこちらが絶縁低下で苦労したラジオです。戦前のラジオなんで長いアンテナは必須です。大切にお使いくださいね。

以上交換部品代は約5,200円、修復作業時間は約15時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

このページが少しでもお役にたった場合は、下記をクリックし、拍手(?)をお願いします。
拍手する

匿名でも結構ですので、是非ともアンケートにご協力お願いします!また、ご意見ご感想はこちらまでお願いします。(こちらは匿名と携帯メールはご遠慮下さい!)

inserted by FC2 system