ナショナル「GM-520」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその5 > ナショナル「GM-520」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「GM-520」 の修復をして見ました。


修復前の様子。普段使っていたラジオが鳴らなくなったとの事で、修理にやってきた。マジックアイ付きのトランスレスラジオである。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、19A3(整流)、12Z−E8(同調指示)である。普段から使っていたそうなので、非常に綺麗な状態である。


修復前の内部様子。こちらも、汚れも少なく、大変綺麗な状態です。


内部の回路図もご覧の通り、綺麗に読める状態でした。


貴重なマジックアイは、マジックアイテスターで輝度を確認したところ、ご覧の通り充分な輝度が残っている。レス用の12Z−E8は現在入手ができませんので、良かったです!


修復前のシャーシー上部の様子。良く見るとローレッドのツマミ軸が延長され、現代のツマミが取り付けられている。一部のツマミが紛失して、交換されたのであろうか?


修復前のシャーシー内部の様子。内部は手を付けられた跡はなく、危険なペーパーコンデンサーも当時のままである。


修復後のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流も少なく、このまま使用しました。ナショナルラジオ特有のパイロットランプの配線がボロボロになる現象は、このラジオではビニール被覆の線が使われていた為、大丈夫でした。電源コードは袋打ちコードがご希望との事でしたので、多少年代が不釣り合いですが交換しました。


修復が完了したところ。音が出なかった原因は、半田の接触不良でした。これを見つけるのにとても苦労しました・・・。各種試験後問題無さそうなので完了とする。大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約9時間、交換部品代は約2,400円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

inserted by FC2 system