トリオ「FM−100」修復記その1


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修理を依頼された、春日無線工業(TRIO)の「FM−100」 の修復をして見ました。


修復前の様子。貴重な日本初のFMチューナーである。FMの本放送が開始される前の昭和32年に販売された製品だそうだ。一応音が出るらしいが、末永く安全に使用するために、修理&点検にやってきた。使用真空管は6U8(高周波増幅)、12AT7(局部発振&混合)、6AU6(中間周波増幅)、6AU6(中間周波増幅)、6AU6(中間周波増幅)、6AL5(検波&AVC)である。


修復前の内部様子。金属製のカバーに覆われている。出力端子が2個有るが、この当時のFM放送はモノラルであるので、出力は当然モノラルである。


修復前のシャーシー上部の様子。カバーを取ると、それなりに埃が溜まっていた。


修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーの使用は僅か3個。良く見るとヒューズが付いていない。恐ろしい事だ。国産のラジオでヒューズが付いていないのは、初めて見た。中継ホルダーでヒューズを取り付ける事にした。安全性の為に整流器もセレン整流器から、シリコンダイオードに交換する事にした。


キャビネットは完全分解し、水洗いしてすっきり綺麗にした。


修復が完了したシャーシー内部の様子。危険なペーパーコンデンサーを交換し、整流器もダイオードに交換した。ヒューズも取り付けて安心である。ケミコンは漏洩電流を測定し、良好だったのでこのまま使う事にした。


各種試験後、問題無さそうなので完了とする。放送が入らないところでは無音となる仕様で、優秀である!日本最古のFMチューナー、大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約800円でした。

これと同じチューナーは別途修理経験があります。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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