ナショナル「BM−400」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその5 > ナショナル「BM−400」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「BM−400」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、19A3(整流)、12Z−E8(同調指示)である。一応通電確認して、ラジオは鳴ったが、パイロットランプが切れて、ハム音がしたそうである。安全に末永く使う為に、修理&点検にやってきた。


修復前の内部様子。ナショナルラジオ特有のパイロットランプとスピーカーの配線がボロボロで、危険な状態である。真空管を見てみると、何と整流管が19A3であるべき所に、35W4が刺さっていた。これではパイロットランプが切れるのも当たり前だし、ヒーター電圧が不足してよろしくない。またヒューズは何と3Aが付いていた。事故があって、交換されたのであろうか?まず点検にやって来て、本当に良かったです!


回路図もご覧のとおり、綺麗に残っている。


修復前のシャーシー上部の様子。年代相応の汚れであろうか?


修復前のシャーシー内部の様子。下のピアノスイッチは、電源兼用トーンコントロールである。


マジックアイはかろうじて光っているが、レス用の12Z−E8はもう入手は困難ですのでこのままとする。


プラスチックキャビネットは完全分解して水洗いし、すっきり綺麗になりました。


修復が完了したところ。すべてのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流を計測しましたが、使えそうなレベルなのでそのままとしました。ダイアル可動部分も注油して、動きがスムーズになりました。ボリュームはガリ防止の為に分解し、接点復活剤を塗っておきました。依頼主の方のご希望により、iPodを接続できる様に、コードも作製しましたが、トランスレスラジオなんで感電や漏電ブレーカー動作にはご注意してください!


修復が完了したところ。各種試験後問題無さそうなので完了とする。ハム音も少なく綺麗な音で感度良く鳴ってくれます。是非とも大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約3,300円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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