ナショナル「BL−280」修復記その1
(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその3 > ナショナル「BL−280」修復記その1
修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「BL−280」 の修復をして見ました。
修復前の様子。一応鳴るらしいが、安全のために修理&点検にやってきた。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。
修復前の内部様子。依頼主の方が清掃してあるので、大変きれいな状態である。
マジックアイの輝度は、ごらんのとおり、まあまあ明るい。
修復前のシャーシー上部の様子。ナショナルラジオ独特の豆球の配線は依頼主の方が交換している。キャビネットは綺麗だが、シャーシーはそれなりに汚れている。
修復前のシャーシー内部の様子。修理や事故の跡もなく、オリジナルの状態である。一応鳴ったそうであるが、すぐに音が小さくなるらしい。6BA6を交換したら、直るらしいので、球のエミ減か?
6BA6は、真空管試験器でテストしたところ、針がほとんど振れないだけ、エミッションが劣化している。最近こんな球が多いなぁ!
電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。すべてのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流も少なく良好でしたので、このままとしました。依頼主の依頼により、マジックアイの消灯用スイッチを追加し、出力トランスも交換しておきました。
修復が完了したところ。各種試験後、問題なさそうなので完了とする。大切に末永くお使いくださいね!
以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約2,900円でした。
このラジオは、以降に同型を修理した経験があります。詳しくはこちら。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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