三菱「AT−88」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその5 > 三菱「AT−88」修復記

修理を依頼された、三菱電機(MITSUBISHI)の「AT−88」 の修復をして見ました。


修復前の様子。通電できるが、音が出なかったそうである。依頼主の方が清掃して、きれいな状態である。使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)の高周波1段増幅付きスーパーである。依頼主の方が、デザインが気に入り、真空管ラジオに興味を持ち始めたきっかけとなったラジオだそうである。マジックアイは新品に交換済みである。


修復前の内部様子。当初は少したばこのヤニで汚れていたらしいが、現在は依頼主の方が清掃し、大変綺麗になっている。


修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方が綺麗に清掃してある。ダイアル糸が滑ってスムーズに針が動かない。


修復前のシャーシー内部の様子。出力トランスが、シャーシー内部に配置されており、外部スピーカー端子が付いている。出力トランスの断線はなかったが、電源のチョークコイルが断線していたので、両方交換する事にした。モード切替のロータリーSWがかなりきつく、つまみが滑ってしまう程だ。注油して動きも軽くなった。


修復が完了したところ。全ての抵抗類とコンデンサー類を交換しました。断線していた電源のチョークコイルと、断線が予想される出力トランスも交換しました。シャーシーの後ろ側に、マジックアイの消灯用のスイッチを取り付けました。緩んでいて滑ってしまうダイアル糸もテンションを増して調整しました。ガリのあったボリュームも交換してあります。


修復が完了したところ。調子よく柔らかな音を聞かせてくれます。大切に末永くお使いくださいね。

以上、修復作業時間は約11時間、交換部品代は約6,600円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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