ナショナル「AH−790」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその3 > ナショナル「AH−790」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「AH-790」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応鳴るそうであるが、安全の為に修理&点検にやってきた。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、6Z−E1(同調指示)と、オーソドックスな5球スーパーの構成である。当時流行したHiFiラジオである。


修復前の内部様子。依頼主の方が、分解して清掃してあるので、かなり綺麗な状態である。電源コードが切れている。


マジックアイの輝度はご覧のとおり。明るい室内では見難い程度である。


回路図も綺麗に残っている。回路は前回のEA−700と全く同じ様である。という事は、同じくロータリースイッチが絶縁不良を起こして、煙を噴く可能性が有るという事です。この問題に関しては、依頼主の方に相談中です。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られない。信頼性の低い当時のペーパーコンデンサーもそのままである。ナショナルラジオ特有の、豆電球の配線が、ボロボロである。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンはケミコンテスターで漏洩電流を計測し、漏れ電流も0.35mAと少なく合格。このまま使う事にした。絶縁不良が心配なNARROWとWIDEの切り替えは、シャーシーの後ろにトグルスイッチを取り付けた。


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。柔らかな音でガンガン鳴ってくれます。大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約9時間、交換部品代は約2,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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