ナショナル「UX−470」修復記1


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその4 > ナショナル「UX−470」修復記その1

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「UX−470」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、35W4(整流)である。真空管を試験したところ、一部劣化が見られる。中波専用で、ツマミも音量と選局のみで、極めてシンプルである。


修復前の内部様子。それなりに汚れているのであるが・・・。最初は鳴っていたが、依頼主の方が清掃したら、通電しなくなったとの事で、どこか断線たのか?あるいはボロボロのPLの配線がショートして、ヒューズでも飛んだのであろうか?下手をすると高価な整流管の35W4が、断線してしまいます。特にナショナル製のラジオは、PLの配線がボロボロになっている為に、むやみに通電するのは大変危険です!


修復前のシャーシー上部の様子。内部はキャビネットの天井部分も含め、ずいぶん黒ずんでいる。何か炭化した様であるが、内部で抵抗などが燃えた跡はない。


修復前のシャーシー内部の様子。ペーパーコンデンサーが絶縁不良による発熱で、パラフィンが溶けている。年代を考えると、少し汚すぎる気がする。


修復後のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。電源コードも交換しました。パイロットランプは球切れで、交換しました。ケミコンも漏洩電流が大きかったので、念のために交換してあります。ボリュームもガリが多くて交換しました。


修復が完了したところ。キャビネットも洗浄して綺麗になりました。テストして問題無さそうなので、完了とする。大切に使ってくださいね!

以上、修復作業時間は約8時間、交換部品代は約2,200円でした。

その後、これと同型のラジオを修理しました。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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