ハムズ・オフィス「TS−7st2」その2


(続)真空管ラジオ修復記 > 読者様の真空管ラジオのページその3 > ハムズ・オフィス「TS−7st2」その2

143番のラジオ(TS-7st2)の修復記を見て頂いた読者の方から、同じキットを組み立てたとの事で、ラジオの写真を送って頂きました。僕の修理したラジオと、若干部品が異なっています。
(コメントは最初の3枚の写真は原文のまま掲載しました。最後の4枚の写真のコメントは、僕が書きました)


私のラジオのトラッキングは中波ではほぼ大丈夫なのですが、短波では受信範囲の中で波打つようにトラッキングが変動しているように感じます。測定器が無いので詳しくは計れませんが…。受信範囲は一応5.2MHz〜15MHzで、色々と動かしてみましたが全体的に一番まともに作動しトラッキングが取れている感じではあります(この範囲をあまりに動かし過ぎると受信すら出来なくなります。特に下の周波数は7MHzに出来なかったような記憶があります)。
やはり近藤様の修理されたバージョンとは違うでしょうか?(バーニアダイヤルは壊れて交換したためオリジナルとは異なります)このラジオはまともに作動するまで結構苦労しました。真空管の75が最初から不良で気付くまで時間が掛かったり、スピーカーの効率が悪く、音量を上げるとスピーカー自体の振動をバリコンが拾ってハウリングしたり…。75を良品に変えたり、スピーカーとフロントパネルにゴム板を挟んだりしてだいぶ苦労しました。


それでもハウリングがあまり収まらず、バリコンにゴムのインシュレーターを噛まそうとしましたが調整がズレると面倒臭いので、オーディオ用の効率の良いスピーカーに変えたところ、見事にハウリングが収まりました。高効率のスピーカーは同じ音量にした場合、効率の悪いスピーカに比べスピーカー本体の振動がとても小さいことが分かったのもこのときでした。(高級品はコーン紙自体が柔軟に大きく動くんです。)


それと、近藤様がHPでご指摘の通り、出力トランスがあまりに貧相!そこで20年前に買ったと思われる未使用の出力トランス(春日無線製?)が押入れにに転がっていることを思い出し、取り替えたところ、音量・音質が共にアップしました。特にIFTを広帯域にすると音質の向上が著しく、真空管ラジオの良さが充分味わえるようになりました。ソリッドステートには無い、澄んだ綺麗な音がします。


(このバージョンのキットには、局発コイル側にもトリマコンデンサーが付いていて、調整が出来たみたいです。)


(局発コイルは、シールドケースが外されています。)


(こちら側はアンテナコイル側のトリマコンデンサーです。)


(中波と短波の両方のアンテナコイルにも、フェライトコアが付いていて、調整出来る様になっていました。僕の修理したラジオには、付いていませんでした。こんなに調整箇所が有る割には、キットの説明書に調整に関する記述が一言もありません。短波帯の受信周波数範囲も記載がありませんでした。説明書に調整方法に関して、もう少し説明が欲しかったですね!おとなの工作読本No.7という書籍に書いていて有るみたいですが・・・。)

僕の修理したラジオと比べると、調整箇所も多かった様です。それでもうまくトラッキング調整がぴったりにならなかった様ですね。まあ、所詮キットですから、そんなにぴったりには調整出来ないでしょう。適当な所で妥協するしかありませんね。

誠文堂新光社から2007年11月中旬に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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