タイガー電機「RM−5」修復記


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タイガー電機(CONCERTONE)「RM-5」 オークション落札 6/21、価格12,500円


昭和10年前後の物と思われる。よほど大きいメーカーと見え、スピーカー、トランス類、チョークコイル等にConcertone製の印がある、真空管はマツダ、オリジナルはUY−24B,UY−24B,UX−26B,UX−12A,KX−12Bとなっているが、現在は、24B,57S,26B,12A,12Fがついている。


小さいキャビネット(30×27×18cm)の中に部品がコンパクトに収まり、隙間がない。中の部品を交換するには上にあるものを取り外して、作業をしなければならなかった。このタイプをミゼット呼んだ。電源スイッチは左側面にスナップ型のものがついている。バリコンは割りと小型でシャーシの中に収まっている。電源コードはボロボロであったが、その他の配線は絹巻き線でまだまだ大丈夫のようなので、古い物はなるべく生かすことにした。ブロックコンデンサーは絶縁状態は大丈夫なので、生かしてみる。 26Bは全面鏡のようで内部は一切見えない。よほど長期間使われたものであろう。真空管の配置が後面左から検波管、高周波増幅、低周波増幅となっていて面食らうが、コイルがシャーシ内に横向きについている関係でこの方が合理的なのだろう。左側つまみは音量調整であるが、アンテナコイルの入力を調整するようになっている。

部品交換修復したもの
結合トランス 1次側断線していたので、2次側をチョークコイルとしてプレート側に使い、0.01μFと500KΩで結合した。高周波チョークコイルは断線のため、50Kでバイパスされていたが、分解してみるとコイルの巻き終わりが切れていたので、修復できた。キビネットは合板が浮いてばらばらになりそうであったが、瞬間接着剤とボンド付け補強後、全面サウンドペーパー仕上げ、再塗装した。サランネットも交換し綺麗になった。

修復を終えて
5球にしては音量が足りない、改善が必要である。

追記
1ヶ月余りたってまた分解してみた。別のスピーカーに繋いでみると、音は大きくなる。ただし音量を上げると、音が割れる、いろいろ試してみた結果12Aのバイアスにコンデンサーを加えると音がよくなった。そのまま生かしておいたブロックコンデンサーに容量不足の部分があったようだ。

スピーカー修復
もとのスピーカーに戻してみるとやはり音が小さい。 U型磁石の磁力が足りないのであろう。磁力の強化を図ることにする。50年も前のことだが、ダイナミックスピーカーのフイルドコイルを使いB電流を流して強化したことがある。それには磁石の極性を調べる要がある、方位磁石を探す羽目になった。(ジョイ700円)コイルを探したがなかなか見つからないので新規に作ることにする、配線用のボビンに0.8mm位のエナメル線250回位巻きコイルを作った。

自動車の12Vバッテリーに何秒か繋いだところ、見事に蘇った。この工作の難点はスピーカーの心臓部を分解しなければならない点である。分解せずにもう一つの磁石を使い、向かい合わせて強化出来ないものだろうか。

以上、山形県のH.M様が修復したラジオでしたした。

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