オンキョウ「OS−38」修復記その1
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修理を依頼された、大阪音響(ONKYO)の「OS−38」 の修復をして見ました。
修復前の様子。地元の「鮎の風」という、鮎川小学校の校舎の保存会の方から、是非ともこの校舎で保存展示したいとの意向で、修理を依頼された。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80HK(整流)、6Z−E1(同調指示)である。一度鳴ったとの事ですので、深刻な故障は無い物と思われる。
修復前の内部様子。内部は清掃したとの事で、かなり綺麗な方である。
マジックアイの輝度はご覧のとおり。やや暗い程度であるが、最近は新品は5,000円程度と高価で貴重品であるので、このまま使用することにする。
修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方が有る程度清掃して頂いたので、綺麗である。埃をエアーガンで吹き飛ばし、雑巾で拭いたらご覧の通り綺麗になりました。
修復前のシャーシー内部の様子。修理や改造の跡は見られない。信頼性の低いペーパーコンデンサーの絶縁不良による、パラフィンの溶解も見られない。あまり使われなかったのであろうか?
キャビネットは完全分解し、文字盤などを水洗し、綺麗になりました。
修復が完了したところ。安全の為に全てのコンデンサーと抵抗を交換しました。ボリュームは内部を接点復活剤で清掃してガリは無くなりましたが、PU切り替えスイッチの接点の不良により、PU機能は使用出来ません。この頃の出力トランスやチョークコイルは、巻線の材質が悪く、約半数は断線するので、念のために両方とも新品に交換しておきました。
修復が完了したところ。ガンガン鳴ってくれます。各種試験を実施して問題無さそうなので、完了とする。このラジオは鮎の風保存会によって、鮎川小学校跡に保存されるみたいです。大切にお使いくださいね。各種ラジオの資料も一緒にお送りしましたので、お役立てください。
その後、このラジオは鮎川小学校跡にて開催された交流会にて、懐かしの昭和館にて展示されました。詳しくはこちら。
以上、交換部品代は約7,000円、修復作業時間は約10時間でした。
この同じ形式のラジオは、他にも修理経験があります。詳細はこちらとこちら。このラジオは、ラジオ工房のここにも修理記録がありました。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!