メーカー不詳「組み立てキット」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその2 > メーカー不詳「組み立てKIT」修復記

修理を依頼された、メーカー不詳の「組み立てキット」 の修復をして見ました。


修復前の様子。依頼主の方が、中学生の頃に組み立てたキットだそうである。しばらくぶりに鳴らしてみたところ、調子が悪くなったので、修理&点検を依頼された。短波付きの2バンドのラジオである。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、5M−K9(整流)である。


修復前の内部様子。アルミシャーシーは、少し錆びが出てきている。


修復前のシャーシー内部の様子。中学生の頃組み立てたとの事でしたが、なかなか綺麗に半田付けされている。僕が中学生の頃組み立てた物とは、比較にならない程、綺麗に組上がっていると思います。ショックを与えたら鳴らなくなったとの事でしたが、よく見たら半田が1カ所外れていました。半田付けをやり直したら、鳴る様になりましたが、感度が悪いです。調整をしていないみたいなので、調整し直したらガンガン鳴る様になりました。


前面パネルには、Techni−Courseと書かれているが、メーカーなどは不詳である。


同調が、バリコン直結でしずらいので、バーニアダイアルを取り付けて欲しいとの要望でしたので、取り付けました。前面パネルを外さなければならなかったので、結構大変な作業でした。目盛りの50の指し示す方向が、外側の周波数目盛りで読める受信周波数だと考えれば、おおよその周波数の見当が付くと思います。


事故防止の為に、シャーシー後側に、保護カバーを取り付けて欲しいとのご要望でしたので、放熱の為に穴の開いたリードのパンチングプレートで保護カバーを製作し、側面は完成しましたが、上面部分と背面部分を覆う大きな板が品切れで入手出来ないので、現在注文中です。入荷次第製作して完成の予定です。ただし、シャーシーをすべて金属で覆う事になりますので、アンテナコイルもシールドされる事になり、感度が低下する事が予想されます。外部のアンテナ線(黄色)を、十分伸ばして受信してください!


保護カバーが完成したところ。あまり上手ではありませんが・・・?


修復が完了したところ。中学生の頃に組み立てたという想い出のラジオ、是非とも大切にお使いください。保守球もあるので、しばらくは安心ですね!

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約3,300円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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