ラジオ少年「2R−STD」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその1 > ラジオ少年「2R−STD」修復記

修理を依頼された、ラジオ少年様頒布の2球再生式キット「2R−STD」の修復をして見ました。


修復前の様子。いつもお世話になっているラジオ少年様の2球再生式ラジオキットである。同じ市内の中学生の方が組み立てたが、火花が散ったとの事で修理を依頼された。使用真空管は6BA6(再生検波)、6AK6(電力増幅)である。ラジオ少年様公表の回路図はこちら。この回路図は、僕の作った真空管パーツライブラリーで書かれています。


修復前の内部様子。動作しない原因が解らず、組み立てたが再度部品を外したみたいで、すべて配線は外されている。新たに組み立てる事にします。


ところで、付属している電源トランスですが、表示が変です。上側のタップには、Output 0V-70V-100V,下側のタップには、Output 0V-6.3Vと表示されています。


電源トランスの反対側のタップには、これもまたOutput 0V-6.3Vと表示されている。じゃあInputはどこ???このトランスは、B電圧を低く抑えて100Vとしているので、ヒーターの6.3Vの巻線が2つ有るのが、そもそもおかしいのである。テスターで抵抗値を測って推測したところ、反対側の下側の巻線がOutputではなくInput 0V-100Vの間違えらしい。これでは初心者は混乱してしまう。キットが動なかった原因はここいら辺に有りそうである。


製作が完成したシャーシー内部の様子。このキットには回路図は付属されているが、実体配線図が付属されていないので、初心者は指導者がいなければかなり難しいであろう・・・。それと付属していた2個のツマミであるが、軸を止める内部のイモネジが付いていなかった。抜け落ちたのか最初から欠品だったのかは定かではないが、3mmの手持ちのイモネジが無かったので、普通のビスで代用した。ネジの頭が少し顔を出して、かっこ悪いのであるが・・・。見本となる様に、綺麗に配線したつもりです!


製作が完成してテストしているところ。パイロットランプが付いていないので、なんか不便で寂しいのである。またスピーカーが裸で外付けなのも、何とかしたい所である。並三相当ですし、B電圧も100Vと低いので感度もそれほどでなく、音も小さい。まあ、入門用の真空管ラジオキットとしては、最適であると思います。再生調整のボリュームの操作が、最初のうちはとまどうかもしれませんね。大切に使ってくださいね!若い中学生の方が、このようなキットに興味を持たれるというのは、すばらしい事だと思います。今後に期待いたします!

PS.再生調整の方法はこちらです。

以上、製作作業時間は約4時間でした。

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