東芝「かなりやOS」修復記その2


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその3 > 東芝「かなりやOS」修復記その2

修理を依頼された、東京芝浦電気(TOSHIBA)の「かなりやOS、5LR−287」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、トランスレスラジオの標準構成である。このかなりやOSは、愛称が同じで品番の異なる2種類のラジオが存在するらしい。このラジオは以前修理経験があります。詳しくはこちら。依頼主の方が、コンパウンドで磨いたとの事で、綺麗な状態である。チューニングを回しても、バリコンが動かないので、糸切れかと思ったら、糸が緩んでスリップしているだけであった。


修復前の内部様子。内部もある程度清掃されており綺麗であるが、アンテナコードが交換されたのか、ずいぶんと太くて長いのが付いている。


修復前のシャーシー上部の様子。それ程汚れていないのであるが。


修復前のシャーシー内部の様子。修理の痕跡は見られないが、電源1次側のペーパーコンデンサーが絶縁不良で発熱した痕跡が見られる。パイロットランプが切れたのか、新しい物に交換されていた。


キャビネットは丸ごと水洗いして、すっきり綺麗になりました。


回路を良く見ると、何とブロック型のケミコンが破裂した跡があった。何と恐ろしい・・・。


電気回路の修復が完了したところ。ケミコンを交換し、信頼性の低いペーパーコンデンサーも全て交換しました。ボリュームはガリも無く良好。ロータリーSWの接点を磨いておきました。


修復が完了したところ。各種試験後、問題が無さそうなので完了とする。大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約1,200円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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