ONKYO「FM-820」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその4 > ONKYO「FM-820」修復記

修理を依頼された、大阪音響(ONKYO)の「FM-820」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、17EW8(FM用局部発振&周波数変換)、12BA6(FM用中間周波数増幅)、12BE6(AM用周波数変換)、12BA6(FM&AM用中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、(セレン整流器による整流)である。


修復前の内部の様子。依頼主の方が、清掃してあるので、綺麗な状態です。パイロットランプが暗いそうであるが、回路図を見ると、整流管を使用していないので、パイロットランプ(3V/0.15A)がヒーター回路に直列に挿入されており、電源投入時に断線を防ぐ為に、パイロットランプに並列に抵抗が挿入してあるので、ヒーターが暖まって定常時には、回路上かなり暗い事が予想されるので、この状態で多分正常であると思われます。


回路図も綺麗に残っています。FM付き3バンドラジオなんで、回路が複雑です。


修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方が清掃されたとの事で、綺麗である。


修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーが数個見られるので、交換することにする。


修復が完了したシャーシー内部の様子。ACラインをまたぐコンデンサーは、1次側の安全規格を満たしたコンデンサーに交換しました。


修復が完了したところ。若干ハム音が大きい気がする。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。パイロットランプは新品に交換しましたが、明るさはこれで正常です。3VのPLは現在貴重品ですが、予備球を付けておきましたので切れたら交換してください。では、大切にお使いくださいね!

以上交換修復作業時間は約4時間、交換部品代は約600円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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