ナショナル「EA−715」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその2 > ナショナル「EA−715」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「EA−715」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応鳴るが、今後安全に末永く使って行く為に、修理と点検を依頼される。当時流行った高級な大型HiFiラジオである。使用真空管は6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6BQ5(電力増幅)、6X4(整流)、6DA5(同調指示)である。マジックアイに当時の推奨真空管の6DA5を使用しているのが珍しい!


修復前の内部様子。年代相応の埃が積もっている。


修復前のシャーシーの様子。バーアンテナが回転して感度の最良点に向けられる仕組みである。さすが高級品!


マジックアイは消灯用のスイッチが付いているので、ご覧のとおり明るい!これがmT管マジックアイ6DA5の表示面である。同調すると陰の部分が閉じます。


修復前のシャーシー上部の様子。エアガンで埃を吹き飛ばして、綺麗になりました。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られないが、信頼性の低いペーパーコンデンサーもそのままである。またナショナルのラジオの特徴であるパイロットランプのコードも、ボロボロでショートの危険がある。


バーアンテナを回転する軸は、回転と感度調整様に、ボリュームのスイッチ部分のみがが別途取り付けられていた。回転でスイッチが切り替わる仕組みである。


修復が完了したシャーシー内部の様子。ボロボロで危険なパイロットランプの配線をすべてやり直し、信頼性の低いペーパーコンデンサーはすべて交換、電源コードも交換しました。ケミコンはケミコンテスターで漏洩電流を測定したところ、極めて良好でしたので、このままとしました。


修復が完了したところ。各種絶縁試験も実施しましたが、結果は極めて良好でした。真空管は試験しましたが、まずまずの状態でした。ダイアル照明の豆電球は、依頼主の型のご希望により、緑色のカラー電球に交換しました。また、後ろ側のオレンジのアンテナ線を延長しておきましたので、伸ばしてお使いください。普段はマジックアイを消灯して、輝度の低下を防止して、末永く大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約2,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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