ゼネラル「7S−2」修復記その2


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその3 > ゼネラル「7S−2」修復記その2

修理を依頼された、八欧無線(GENERAL)の「7S−2」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応音が出る様になったが、感度が悪かったり音が急に小さくなったりと調子が悪いとの事で、修理を依頼される。写真にはツマミが写ってませんが、送るのを忘れたとの事でした。使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80(整流)、6Z−E1(同調指示)と高周波1段増幅の6+1球スーパーの高級なラジオである。このラジオは以前にも修理した事があります。詳しくはこちら


修復前の内部様子。マジックアイは中古であるが、EZ−6E5から6Z−E1の状態の良い中古品に交換したそうである。真空管を試験してみると、かなり使われたらしく、どれもあまり良い状態ではなかった。


修復前のシャーシー上部の様子。埃はないが、それなりの汚れ方である。


修復前のシャーシー内部の様子。一応、一部のペーパーコンデンサーが交換されているが、半分位のペーパーコンデンサーがそのままの状態である。肝心の出力管の結合コンデンサーや、電源の一次側のコンデンサーはそのままである。


キャビネットは完全分解し、前面のパネルは綺麗に洗浄し、スピーカーのサランネットも張り替える事にしました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。安全の為に、全ての抵抗とコンデンサーを交換しました。堅くなって危険な電源コードも交換しました。シャーシーの後ろ側には、マジックアイの消灯用のスイッチも追加しました。普段は消灯して、貴重なマジックアイの輝度低下を防止してお使いください!その他、1次側のコイルが切れる可能性の大きい出力トランスも交換し、安全の為にB電圧の配線とトランスの出力線のエンパイアチューブなども交換してあります。


修復が完了したところ。各種調整後テストして問題無さそうなので完了とする。真空管の状態が非常に悪く数分で音量が低下するので、状態の特に悪かったUZ−42と6Z−DH3Aを交換した。他にもUZ−6D6も交換すれば感度がかなり上昇したが、予算の関係から今回は見送る事にする。早めに交換してください!そして柔らかな真空管ラジオの音を、存分にお楽しみください!

以上、修復作業時間は約14時間、交換部品代は約7,000円でした。

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