山中電機「6S−402」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその3 > 山中電機「6S−402」修復記

修理を依頼された、山中電機(TELEVIAN)の「6S−402」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80HK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。マジックアイ以外はマツダ製が付いていたので、一度も交換されていないらしいが、真空管試験器で試験したところ、概ね良好であった。


修復前の内部様子。それなりに汚れている。フィールドダイナミックスピーカー使用である。幸いな事に、フィールドコイルも出力トランスも断線は無かった。


マジックアイは交換されたらしく、ドン製が付いていたが、マジックアイテスターで試験したところ、ご覧の様にほとんど光らない。


修復前のシャーシー上部の様子。エアガンで埃を吹き飛ばし、綺麗にしました。バリコンの固定ゴムが溶解しており、かなり傾いているので、固定ゴムの代用品である、水道のパッキンを利用して、固定しなおしました。


修復前のシャーシー内部の様子。大きな事故や、修理の跡は見られないが、電源コードが交換されている。


電気配線の修復が完了したところ。安全の為に、内部の全ての抵抗類とコンデンサー類を交換しました。ボリュームも2個交換してあります。特にPU切り替え用の3ピンスイッチ付きは、特注品で高いのですが、遂に売り切れてしまいました・・・。電源コードも袋打ちコードに交換しました。マジックアイを消灯出来る様に、スイッチを取り付けました。マジックアイは別途秋葉原から調達してきました。最近は1本5,000円前後まで価格が高騰しています。またこの頃の出力トランスは巻線の材質が悪く、断線が予想されるので、新品に交換しておきました。


ラジオの修復が完了したところ。各種調整後、問題無さそうなので完了とする。各種絶縁試験も良好でした。マジックアイも新品なので、明るく光っています。普段は輝度低下防止の為に、消灯してお使いください!実は、このラジオに繋げて音を聞きたいとの事で、レコードプレーヤーも一緒に送って頂いております。次はプレーヤーのレストアに取りかかります。


プレーヤーは、モーターやピックアップが故障していると、同じ物が入手出来ないため、修理は不可能な場合があります。さて、これはどうなんでしょうか?


やはり残念ながら、ピックアップのカードリッジが不良の様です。針も折れていました。現在は同じ物が入手不可能なのです。


その後、使用している様子の写真を送って頂きました。大切にお使い頂き、誠にありがとうございます!

以上、修復作業時間は約12時間、交換部品代は約11,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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