シャープ「5P−78」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその3 > シャープ「5P−78」修復記

修理を依頼された、早川電機工業(SHARP)の「5P−78」 の修復をして見ました。


修復前の様子。清掃されて綺麗であるという事なので、冬期間でも修復を受けた。最初は鳴っていたそうであるが、鳴らなくなったみたいである。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、35W4(整流)である。真空管は全てNEC製だったが、真空管試験器でチェックしたところ、結構使いこまれている様子。


修復前の内部様子。大体は清掃はされている様であるので、埃はほとんど無い。


修復前のシャーシー上部の様子。埃は無いが、シャーシーに若干の腐食が見られるが、まあ状態は良い。正面に付いているスライドスイッチは、スピーカーとイヤホンの切り替えである。普通はイヤホンを挿すと、自動的に切り替わる仕組みなので、スイッチ式は珍しいですね!


修復前のシャーシー内部の様子。当時のペーパーコンデンサー等がそのまま残っている。このまま使っていたのであるから恐ろしい。昔の真空管ラジオは、鳴るといってもそのまま使用することは、大変危険です!故障して僕の所に修理に来て、本当に良かったです!ところで、鳴らなくなった原因はなんであろうか?


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型のケミコンは漏洩電流が多かったので、交換しました。通電してみると、すんなり鳴りましたが、ボリュームのガリがひどかったので交換しました。安全の為に、電源コードやヒューズも交換してあります。結構手間がかかりました。


修復が完了したところ。調子よくガンガン鳴ってくれる。テストして問題無さそうなので、完了とする。真空管は劣化しているので、早めに交換して、末永くお使いください!


その後、依頼主の方から写真を送って頂きました。喜んで頂いて光栄です。大切に使って頂いている様子がわかります。ありがとうございました!

以上、修復作業時間は約6時間、交換部品代は約2,000円でした。

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