三菱「5P−468」修復記その1


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修理を依頼された、三菱電機(MITSUBISHI)の「5P−468」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A(電力増幅)、35W4(整流)である。同じ形式で出力管に35C5を使った、旧バージョンもあるらしい。オリジナルでは、中間周波数増幅管は12BA6である。おや、このラジオ何処かで見た事がありますね?・・・と思った人はかなりのラジオ通ですね。実は男の自由時間、「真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦!」という本の、ラジオの修理方法の教材に、内尾様が修理方法の実際について丁寧に解説をしております。


修復前の裏面の様子。裏蓋に欠けがある。どうやら真空管の熱で炭化したらしい・・・。裏蓋が炭化するまで使われたのであろうか・・・?


修復前の内部様子。依頼主の方にキャビネットとシャーシーを清掃して頂いているので、綺麗である。


修復前のシャーシー上部の様子。清掃してあるので、大変綺麗な状態である。バリコンの固定ゴムが経年変化で溶けていて、動きが若干スムーズではない。


修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーは数個しか使われていない。修復は全てのペーパーコンデンサーと大幅に値のずれている抵抗、及びケミコンを交換する事にする。またスピーカーのコーン紙が破れているので交換する事にした。


修復が完了したシャーシー内部の様子。バリコンの防振ゴムが経年変化で溶けて、バリコンが沈み、羽がロータリーSWに接触するので、ワッシャーを挟めてバリコンを浮かせた。信頼性の低いペーパーコンデンサー全数と、ケミコンを交換した。抵抗は電力系と、抵抗値の大幅にずれている物を交換した。スピーカーはコーン紙が破れているので、同じ様な形の新品スピーカーを取り付けた。いつもの様に、ボリュームは接点復活剤で清掃し、ロータリーSWは接点を磨き、ダイアル可動部分は潤滑剤を塗布した。キャビネット内側上部の断熱材が剥がれているので、キャビネットが真空管の熱で変形する恐れがある事から、断熱材の代わりにベーク板で貼って処置しておいた。


修復が完了したところ。1時間程度テストして問題が無さそうなので完了とする。大切に末永くお使いくださいね!

このラジオの修理依頼者の方のブログはこちらです。併せてごらんください。

以上、修復作業時間は約5時間でした。

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