テレビアン修復記その4


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその2 > テレビアン修復記その4

修理を依頼された、山中電機(TELEVIAN) 「M−44」を修復をして見ました。


縦型ミゼットキャビネットであるが、割り合い小型である。使用真空管はUY−24B(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)である。内部は年代相応の汚れとほこり。


シャーシー上部の様子。埃の山であったが、少し払った程度。若干の錆が見られるが、保存状態は良い方である。


修復前のシャーシー内部の様子。本当にメーカー製かと思われる位、下手な半田付けと空中配線である。段間トランスは断線して交換された物らしく、片方しかネジ止めされていない。マグネチックSPも段間トランスも断線はしていなかった。良かった、良かった・・・。完全分解にあたり、回路図を書いてみました。


いつもの様に、シャーシーは完全分解して洗浄後、再塗装を実施して、見違える程美しくなった。トランスや飾り金具も再塗装しました。


キャビネットは万能ワックスクリーナーで清掃し、サランネットは張り替えし、飾り金具も再塗装して、大変綺麗になりました。


再塗装後、部品を取り付けたシャーシー上部の様子。どうです?


電気配線が完了したシャーシー内部。配線にはいつもの様に配線毎に10色に色分けされた耐熱電線を使用し、抵抗やコンデンサーは規格に十分余裕を持った新品を使用してます。残念ながら真空管は整流管が真空漏れで内部でグロー放電してNGで中古品に交換しました。


修復が完成した内部の様子。小型のキャビネットにうまくまとまって入っている。ただヒューズホルダーのカバーが欠品しており、ここに触ると感電の恐れがありますので注意が必要です。実は、現在の物を取り付けようと思ったのですが、寸法が微妙に合いませんでしたので、そのまま使用しています。


修復が完成した所。結構大きな音も出ます。テストして問題が無さそうなので完了とする。製造後70年も経過したラジオが、見事に生き返りました。是非とも大切にお使いください!

ここまでの修復作業時間は、約14時間程度でした。


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