日立製作所「ジーナ・S−562」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその1 > 日立製作所「ジーナ・S−562」修復記

修理を依頼された、日立製作所(HITACHI) の「S−562」の修復をして見ました。


修復前。持ち主がコンデンサーを交換していると、AMが鳴らなくなったとの事で、修理を依頼される。持ち主がキャビネットを再塗装するという事で、前面のサランネットカバーが外された状態でやって来た。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、5M−K9(整流)、6Z-E1(同調指示)と、比較的後期の製品である。外部入力端子にFM入力がある珍しい製品である。Hi−Fi仕様である。


シャーシー上部。少々油汚れがある。バーアンテナが回転して、最良の方向に向けられる仕組みになっている。


シャーシー内部。持ち主の直した所に紙で印が付いている。チェックしているとAMとSWの切り替えスイッチの誤配線を発見。また出力管の結合コンデンサーを交換、電源コードも汚れて堅くなっていたので交換後、通電したら接触が悪い部分がある様で、がりがりいって、ダイアルランプが消えかかる。ヒーターの配線を半田付けし直して解決。ロータリーSWの接点を洗浄し、ダイアル可動部分も潤滑剤を塗布した。


修復が完成した所。トリマーなどを再調整後、1時間程テストして問題が無いので完了とする。キャビネットを再塗装して、綺麗にして、是非とも大切に使ってください。


サランネットを取り付けると、こんな感じになるでしょう。写真は合成写真です。

ここまでの修復作業時間は、約3時間程度でした。


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