ナショナル「キット」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその1 > ナショナル「キット」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL) の「ナショナル・キット」の修復をして見ました。


修復前。キャビネットは、多数のキズと落書きやシールまで貼っている。内部は年代相応の汚れ。昭和30年に組み立てられたナショナルのラジオキットらしい。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、6Z−P1(電力増幅)、KX−80HK(整流)で、キットとしては廉価版である。キャビネットにはマジックアイも取り付けが可能な様に、穴が開いている。


キットと言うことで、半田付けや配線などはどんな物かと楽しみにシャーシー内部見てみると、やはり素人組み立てで、半田付けはメーカー製ほど上手ではない。ペーパーコンデンサーは絶縁不良で発熱したらしく、ロウが沸騰して垂れた様だ。


キャビネットが汚いので、いつもの様に塗装を剥がして再塗装することにする。再塗装は、電動サンダーで塗装を剥がした後に、との粉を塗り、その後に水性ニスを2度塗り、最後につや出し透明ニスを塗るので、結構時間と手間が掛かる作業です。ダイアル窓やツマミも洗浄し、飾り金具も再塗装し、サランネットも張り替えを実施する事にする。こうすると見違える程、綺麗になる!


全ての再塗装が完了し、サランネットも張り替えた所。どうです?とっても綺麗になりました!


電気配線が完了したところ。全てのケミコン・ペーパーコンデンサー・抵抗を交換し、配線もやり直しました。


シャーシー上部の様子。6Z−DH3Aにもシールドケースが取り付けられている。


修復が完了した所。各種調整後に1時間程度動作させて問題がない事から、完了とする。是非とも大切に使ってください!!!


以上、修復作業時間は、12時間程度でした。


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