「ミゼット型ラジオ」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその1 > 「ミゼット型ラジオ」修復記

これは戦後スーパーに改造された昭和10年頃の並四ラジオをレストアした修復記です。


内部の様子。戦後スーパーに改造されていなければ最高に良かったのに、残念!
使用真空管は6W−C5、UZ−6D6、6Z−DH3A、UY−56、UZ−42、KX−80Kと6.3V管と2.5V管が混在している。
オリジナルの真空管はソケットの刻印よりUX−112A、UY−227、不明、不明とナス管使用らしい。
(たぶん不明の残りの2球は、普通に考えるとKX−112BとUY−226であろう)


シャーシー内部の様子。とても恐ろしくて通電する気にはなれない。素人が改造した様な跡がある。
無理矢理ソケットを取り付けた様だ。添え木までしてソケットを取り付けてあった。


修復はシャーシーから作製する事にする。骨董的価値は無さそうなんで・・・。ちょうどいい規格のアルミシャーシーを買って、穴開けした。
よけいなUY−56を取り去り、標準的な6W−C5、UZ−6D6、6Z−DH3A、UZ−42、KX−80Kを使用して回路を作製した。


組上がったシャーシー。トランスは前のシャーシーから取って、塗装し直した。
ついでにマジックアイを取り付けた。ソケットには6R−E13を取り付け、EZ−6E5も使える様に変換コードも作った。


安全の為、コンデンサーは630V耐圧、ケミコンは500V耐圧を使用。抵抗も規定より1ランク大きな電力の物を使用。
ヒューズは1次側とB電圧側にも付けて、真空管の劣化と回路の異常がわかる様にB電流の電流計(100mA)も取り付けた。
そう言えば現在周波数変換管の6W−C5用の7ピンのUTソケットが入手できない。苦労して秋葉原で1300円も払って新品を入手。
他のUZやUXのソケットは300円で買えるのに・・・。自分ではきれいに配線したつもり。


シャーシーもぴったりはまっている。おかげで絶好調。現在は居間に置いて、実用機として毎日音を聞いている。
スピーカーはフィールドダイナミックスピーカーを使用してあった。保守用の真空管も一式準備してある。
電源コードは雰囲気を出す様にこの後に袋打ちコードと丸型プラグに交換した。


修復が完成したラジオ。マジックアイはケースに穴を開けるのがもったいないので、後ほど別の小さな木箱を作って、外付けにした。その箱の裏面には、マジックアイの消耗を防ぐため、表示の消灯と明るさを暗くする事が出来るスイッチが付いていて、通常は消灯している。


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