ゼネラル「L−65」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその1 > ゼネラル「L−65」修復記

修理を依頼された、八欧電機(GENERAL)の「L−65」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応音は出るが、末永く使用したいため、点検&整備を依頼される。真空管ラジオを安全に使う為には、非常に重要な事です。使用真空管は、12DT8(FM用周波数変換)、12BA6(FM用中間周波数増幅)、12BE6(AM用周波数変換)、12BA6(FM&AM用中間周波数増幅)、12AV6(低周波増幅)、30A5(電力増幅)、(ダイオードによる整流)である。FMの周波数変換に定番の17EW8ではなく、12DT8を使用している、ちょっと珍しい構成である。3バンド対応mTレス機にしては、大型の分類に入る。パイロットランプは整流管を使用していないので、普通の豆電球が使えずにネオン管が使われており、暗くて寂しいのである。


修復前の内部の様子。左端の真空管(12DT8)だけFMユニット内部で水平に配置されている。内部の汚れは年代相応であろうか?シャーシー下側の内部もそのまま見える構造になっている。通電すると音は出るが、音量が低い不具合があるそうである。


修復前のシャーシー内部の様子。比較的新しい製品で、信頼性の低いペーパーコンデンサーや、オイルコンデンサーの数は少ない。信頼性の高いセラミックコンデンサーとカーボン抵抗が多い。


前面パネルは分解し洗浄しました。木製キャビネットは表面にビニールの木目調コーティングで覆われており、清掃が楽でした。


修復が完了したシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサー&オイルコンデンサーを交換しました。ブロック型電解コンデンサーは、ケミコンテスターにて、試験した所、漏れ電流も少なく良好なので、そのままとした。抵抗類もほとんど交換してあります。音量が低い原因は、ボリュームの1−2端子間にに余計な1kΩの抵抗がついており、最大にしても音量が上がらない様になっていた。何故かと思って取り外した所、今度は音量が大きすぎて絞りきれない!不良の原因は可変抵抗器の劣化で大幅に抵抗値が増加している。交換したが同じ物が入手出来ないので古いボリュームの軸を切って延長して使用した。


修復が完了した所。大きな音も出ます。各種調整後1時間ほどテストしたが問題無さそうなので完了とする。是非とも大切にお使いください!

以上、ここまでの修復作業時間は9時間程度でした。

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