ナショナル「国民受信機2号」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその2 > ナショナル「国民受信機2号」修復記

修理を依頼された、ナショナル(NATIONAL)「国民受信機2号」 の修復をして見ました。


修復前の様子。外観は状態がいいが、驚く事になる。残念ながらトランスも交換され、オリジナルの構成がわからない状態である。挿さっていた真空管は、欠品(再生検波)、6AC7(低周波増幅)、6Z−P1(電力増幅)、KX−80(整流)と訳がわからず!何故こんな改造をしたのだろうか?


修復前の内部。メタル管まで使っており、大変残念な改造である。キャビネットは、状態がいいのでこのまま清掃して使用する事にした。


修復前のシャーシー上部の様子。汚れも無く良好である。このトランスで、整流管のKX−80を点火するのは、無理がある様に思える。修復は、トランスが6.3V用なので、定番のUZ−6C6(再生検波)、UY−76(低周波増幅)、6Z−P1(電力増幅)、KX−12F(整流)で進める事にする。残念ながらマグネチックスピーカーのコイルが断線しており、巻き直しが必要である。長期戦を覚悟した修復になりそうである!回路図はこちら


修復前のシャーシー内部の様子。電源のペーパーコンデンサーが、ブロックケミコンに変更され、大幅な改造の跡が見られる。ここまで改造されると、オリジナルの姿が全くわからない。シャーシーもあちこち穴が開けられている。並四コイルも交換されており、何とスター製が付いていた。ところでこのラジオ、元々パイロットランプが付いていないのだけど、不便でなっかたのだろうか・・・?


シャーシーは完全分解し、全ての配線をやり直す事にする。シャーシー自体は程度が良いので、再塗装せずにそのまま利用する事にする。


電気配線の修復が完成したところ。真空管は3本交換しました。電源SWも導通がないので交換しました。


修復が完成したところ。サランネットも張り替え、飾り金具も再塗装しました。同調指示の指針が無いので、何処に周波数が合わせているのかが解らなく、パイロットランプも無いので、ちょっと不便です。1時間程テストして問題が無さそうなので完了とする。是非とも大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約15時間程度でした。

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