タイガー電機「C−47」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその1 > タイガー電機「C−47」修復記

修理を依頼された、タイガー電機(CONCERTONE)の「C−47」 の修復をして見ました。


修復前の様子。戦前のラジオの様だが・・・。元々の真空管構成はUZ−58(高周波増幅)、UZ−57(再生検波)、UY−47B(電力増幅)、KX−12F(整流)だったのであるが・・・。


内部を見ると、なんとIFTが付いている。残念な事に、戦前の高一ラジオが、戦後にスーパーラジオに改造されたらしい。(>_<)


シャーシーには錆や埃が見られ、マグネチックスピーカーのコーン紙も破れが見られる。刺さっていた真空管は3W−C5(周波数変換)、UZ−57(中間周波数増幅)、3Y−P1(電力増幅)、KX−80BK(整流)である。おやっ、5球スーパーには1本真空管が足りませんねぇ?検波&低周波増幅管がありません。ソケットもありません。何故でしょう・・・?もしかして中間周波増幅なしで、57でグリッド再生検波の4球スーパーだったのではないでしょうかというご教授を頂きました。僕はそういう回路、見たことがありませんでした。ありがとうございました!m(_ _)m


修復前のシャーシー上部の様子。IFTも1つしか無い。謎は深まるばかり・・・?錆と汚れがすさまじい!最近は見慣れたが!(  -_-)


修復前の内部の様子。錆が見られる。配線も所々切れており、空中配線も多数ある。本当に動作していた物かは不明である。ボリュームも10KΩのままで、再生バリコンも残っている。スーパーに改造されていたにしては、おかしいですね?ボリュームはガリ(接触不良)がひどいので、分解して磨き、接点復活剤により清掃を実施して、良好になった。(^^)


マグネチックスピーカーは大型の20cmの物が使用されていたが、コーン紙の破れがひどく、諦めざるを得ない・・・。内田ラジオでコーン紙が見つかれば修復も可能なのだろうが、なかなか倉庫から出てこないらしい・・・。(^ ^ ;)


シャーシーは錆がひどいので、いつもの様に再塗装を実施しました。どうですか?修復方針は、現在の真空管を最大限生かして、UZ−58(高周波増幅)、UZ−57(再生検波)、3Y−P1(電力増幅)、KX−80BK(整流)で進める事にする。参考回路図はこちら。キャビネットは、状態が悪く、所々剥がれも見られるのでサンダーにて塗装を落とすとバラバラになってしまいそうなので、再塗装せずにこのままとする。そのキャビネットであるが、側面に電源スイッチが付いていたと思われる四角い大きな穴が開いているのであるが、現在電源スイッチは音量調整ボリュームと兼用であるので、この穴を何とかしなくてはならない。色々と苦労が多いですねぇ!


修復が完成したシャーシー内部の様子。綺麗になりました。


修復が完成したシャーシー上部の様子。再塗装したので、見違える様にぴっかぴっかです。どうです?


修復が完成した所。スピーカーは20cmのマグネチックSPが入手できないので、残念ですがダイナミックSPを使用しています。でも懐かしい戦前のラジオの音を聞かせてくれます。テストして問題がなさそうなので完了とする。是非とも大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約14時間でした。

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