ゼニス「7H921Z」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその1 > ゼニス「7H921Z」修復記

修理を依頼された、ゼニス(ZENITH)の「7H921Z」 の修復をして見ました。


修復前の様子。いかにも60年代のアメリカ的なデザインのラジオである。FM付きで使用真空管は12BA6(AM高周波増幅)、12BE6(AM周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AU6(FM高周波増幅)、19T8(検波&低周波増幅)、35B5(電力増幅)である。


修復前の内部の様子。ループアンテナが邪魔して、内部が良く見えない。


シャーシーを取り出した所。内部は埃も汚れも少なく、状態は良い様だ。


修復前のシャーシー内部の様子。ペーパーコンデンサーは少なく、セラミックコンデンサーが多い。アメリカのラジオでよく見られる様に、これもヒューズが付いていない。故障したら火や煙が出るので解るのであろうか?あー怖わー!整流はセレン整流器を使用している。


修復後のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーと、一部の抵抗を交換しました。ブロック型ケミコンはケミコンテスターで試験した所、漏洩電流がめちゃくちゃ多く、危険なので交換しました。なんとブロック型コンデンサーの端子が線が絡げてあるが半田付けを忘れていたらしい。お粗末である。セレン整流器も安全の為にシリコンダイオードに交換しました。当然ヒューズも取り付けました。電源コードも汚いので、交換しました。これで万全です。


修復が完了したところ。パイロットランプが付いていないので、なんか不便である。FMも鳴るが、周波数範囲が日本と違って88MHz〜108MHzなんで、受信出来る放送局は限られる。あまり役には立たない。TV放送が聞こえる。ボリュームに多少のガリがあり、接点復活剤にて清掃するがイマイチ。海外製ラジオは部品が調達出来ないのでこのままとする。調整後、しばらく試験して問題が無さそうなので完了とする。60年代の豊かなアメリカのラジオの音がする。いい雰囲気で大切に使ってください!

以上、修復作業時間は約8時間でした。

inserted by FC2 system