八欧無線「6S-6」修復記その1


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修理を依頼された、八欧無線(GENERAL)「6S−6」型の修復をして見ました。


修復前。前面のサランネットもぼろぼろ。ツマミも3つ共ばらばら。キャビネットの塗装も所々キズがついている。内部は埃だらけ。飾り金具も錆びている。タバコのヤニで全体的に汚れている様だ。


シャーシー内部の様子。検波管がST管の6Z−DH3AからmT管の6AV6へ改造されている。内部もいつもの様にものすごく汚い!最近は見慣れたが・・・。物置の片隅の工作作業台にて部品の取り外しに取りかかる。


シャーシー上部。とっても汚い。所々シャーシーに錆びが出ている。油ぎった埃がものすごく汚い。あまり触りたくない状態。さて、修復はこれから・・・。


修復はいつものとおり、部品をすべて取り払ってシャーシーの錆びを落として再塗装から始める。この方法は手間が掛かるが、修復後は見違える程綺麗になり、ラジオも安定動作する。写真は再塗装後の状態。ぴっかぴっかである。ついでにトランスやIFTやシールドケース等も再塗装した。塗装は市販の銀色メッキ風仕上げのスプレーにて塗装を実施した。仕上がりは新品アルミシャーシーの様な色となる。どうです?


キャビネットも再塗装のため、ヤスリで塗装をすべて落として、白木状態になった。このキャビネットは色が2色使われており、塗装も2回に分けて行うため、手間が掛かった。電動式のサンダーを入手したので、今までより随分楽に塗装を落とせる様になった。細かい所は手で紙ヤスリを使用する。塗装を落とすのは、結構大変な作業です。


キャビネットを再塗装し、全面のサランネットを張り替え、飾り金具も再塗装した状態。まるで新品の様に修復できた。サランネットは手芸屋さんでちょうどいいのが見つかったので利用した。手持ちの塗料の関係で、色はオリジナルと若干異なるが、なかなかの出来映えで自己満足!おかげで、最近は塗装もだいぶ上達した?色の選定は、塗ってみないとわからない事もあって、なかなかむずかしい。次は内部の電気回路の修復に取りかかる。ここまでの作業時間は、約12時間でした。


修復が完了したシャーシー。修復前と見比べて頂きたい。新品の様にはいかないが、ぴっかぴっかである。再塗装の威力は絶大!!!


内部の電気配線が完了したシャーシー。配線は10色に色分けされており、安全の為、抵抗の電力やコンデンサーの耐圧には十分余裕を持たせた新品の部品を使用している。これで安心してラジオを使用出来る。心配なのは真空管の寿命だけ!


修復が完成したラジオ。まるで新品の様に見違える程!電源コードには新品丸形プラグと袋打ちコードを使用した。またマジックアイの消耗を防ぐため、消灯できるスイッチを取り付けた。1時間ほどの通電試験後、問題がなさそうなので完了とする。ツマミはしょうがないので、現代の物を使用した。

以上、修復作業時間は延べ約20時間でした。


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