ナショナル「6M−410」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその1 > ナショナル「6M−410」修復記

修理を依頼された、ナショナル(NATIONAL)「6M−410」型 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、6E5M(同調指示)である。一見トランスレス機の様であるが、しっかりトランス付きである。現状でも音は出るが、安全に末永く使用してゆきたいとの事で、修理&点検を依頼される。mT管のマジックアイ6E5Mを使っているラジオは初めて見ました。


修復前の内部の様子。汚れも少なく、状態は良さそうである。トランス付きなので、それなりに重たい。上部には、キャパシティーアンテナのアルミ箔が貼ってあるが、少し剥がれている。キャビネットの右側面にツマミが出ており、電源スイッチ兼用トーン切り替えの様だ。変な所に付いているものだ?


マジックアイの6E5Mは、マジックアイテスターにて確認した所、幸いにも輝度はまあまあ残っていた。これはこのまま使用するが、劣化防止の為に消灯用のスイッチを設ける事にする。


修復前のシャーシー内部の様子。それなりの状態であろうか?内部は綿埃が溜まっていた!ペーパーコンデンサー等は、いつもの様に絶縁が劣化している様だ!なんと、ヒューズに5Aの物が付いている。ああ、恐ろしい・・・!と、いう事は、一度ヒューズが飛んで交換された物なのであろうか?であれば、ヒューズが飛んだ原因は?いずれにしても点検して正解です。このまま使っていればヒューズが切れずに、火か煙が出るのも時間の問題でしょう・・・。真っ黒なコンデンサーが1個ありました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。安全の為に全てのペーパーコンデンサーや抵抗などを交換しました。接触の悪かったトーンコントロールツマミも接点復活剤にて清掃し、良好です。ガリ防止の為に、ボリュームも接点復活剤にて清掃してあります。各種絶縁試験結果も良好でした。


修復が完了したところ。前面も再塗装しましたが、前の塗装が落とせないので、いまいちです。各種調整後、1時間程動作テストして問題が無さそうなので完了とする。裏面にマジックアイの消灯スイッチも付けてあります。普段は消灯して、輝度の劣化を防止して大切にお使いください!


その後、依頼主の方から写真を送って頂きました。喜んで頂いて、本当にありがとうございました。末永く大切にお使いください!

以上、ここまでの修復作業時間は約9時間程度でした。

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