早川電機工業「5R−710」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその2 > 早川電機工業「5R−710」修復記

寄贈して頂いた、早川電機工業(SHARP)の「5R−710」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、6Z−P1(電力増幅)、KX−12F(整流)である。サランネットに汚れが見られる。キャビネットの状態は良い方である。


修復前の内部の様子。年代相応であろうか・・・?埃や油汚れは少ない。ナショナルラジオの豆球の配線の様に、こちらもスピーカーの線等がボロボロに経年変化している。


修復前のシャーシー内部の様子。コンパクトなシャーシーに部品が詰まっている。電源コードは5球スーパーでは珍しく、袋打ちコードと丸形プラグが付いていた。改造や修理の跡は見られない。


修復前のシャーシー上部の様子。なんとアンテナコイルの上にバリコンが付いている。小型シャーシーの苦肉の策か?親子バリコンなので、パディングコンデンサーは不要である。真空管が横一列に並んでいて、気持ちがいい。


電気配線の修復が完了したシャーシー内部の様子。全ての抵抗とコンデンサーを交換しました。内部の配線のコードが、ナショナルラジオの様にボロボロと被服が剥がれて危険な状態なので、すべて交換しました。電源コードも豆電球も交換しました。思ったより時間が掛かりました。出力トランスも断線しており、交換。ところがまだ問題がありました。アンテナコイルの1次側と、発振コイルも断線してます。思ったより状態が悪いです。コイルは2個共、手持ちのトリオのコイルに交換しました。テストしたらまだ鳴りません。局部発振が発振していません。調査の結果、周波数変換管の6W−C5の不良でした。やっと音が出ました。いろいろと問題の多いラジオでした!


修復が完了したところ。内部はほとんどの部品を交換したので、安心してラジオを聞くことができます。思ったより状態が悪く、交換部品が多かったです。修理依頼品のラジオを優先させたので、着手から修復完了までかなりの日数がかかってしまいました・・・。

以上、ここまでの修復作業時間は約15時間程度でした。

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