フィリコ「46−420」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその1 > フィリコ「46−420」修復記

修理を依頼された、フィリコ(PHILCO)の「46−420」 の修復をして見ました。


修復前の様子。通称「黒イモ」と言われているらしい。60年代の豊かなアメリカ的なデザインである。使用真空管は7C7(高周波増幅)、7A8(周波数変換)、7B7(中間周波数増幅)、7C6(検波&低周波増幅)、50B5(電力増幅)、35Z5−GT(整流)と、ロクタル管&mT管&GT管混成の構成である。聞いたことがない球ばかりである。


修復前の内部の様子。状態はまあまあ?キャビネットの内側外周に、ループアンテナのコイルが見られる。


修復前のシャーシー上部の様子。何とフィールドダイナミックスピーカーを使用していた。上部のダイアル指示針とは、糸で結ばれており、糸を外さないとシャーシーが取り外せない。


修復前のシャーシー内部の様子。一部コンデンサーが交換されている様だ。このラジオもヒューズは付いていない。パイロットランプは付いていたが球切れであったが、ネジ式ではなく、ロック式なので一般的ではない。


使用真空管である。ロクタル管はソケットから注意して引き抜かないと、他にぶつけて割れてしまう恐れがあるので、慎重に抜きました。聞いたことのない球構成である。


修復が完了したシャーシー内部の様子。すべてのペーパーコンデンサーと一部ケミコンを交換しました。当然ヒューズも取り付けました。テストしたら音量調整がうまく出来ず、可変抵抗器が不良で交換したが、インチ仕様なので継ぎ手に苦労しました。安全の為に電源コードも交換しました。


修復が完了した所。あまり大きな音は出ませんが、マイルドな良い音で鳴ってくれます。古き良き時代のアメリカ的なデザインが良いです。ダイアルには一応照明が付いているが、レス機なんで薄暗いのが寂しい。テストして問題が無さそうなので完了とする。大切に使ってください!

以上、修復作業時間は約10時間でした。

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