真空管ラジオの修理について


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最近のレトロブームの影響で、古い真空管ラジオを入手して修理しようと計画している方も多いと思います。ここでは簡単にヴィンテージ真空管ラジオの修理方法を述べさせていただきます。

1.真空管ラジオをオークションなどで入手したら、すぐに通電してテストしたくなるのが普通かと思われますが、その前に一言。前にも書きましたが、真空管ラジオはよく火や煙を噴きます。いきなり通電は大変危険です!前の持ち主が通電して、鳴るといった物でも安全に使用するには注意が必要です。通電の前に念入りにチェックをしましょう!特に電源のコードが切られているラジオは、以前に事故を起こした確率が非常に高いですので注意が必要です。また、ラジオを末永く安全に使用したい場合は、それなりに知識のある方に相談しましょう。素人が訳も解らずに勝手に修理すると、かえって危険な場合があります・・・。真空管ラジオは、部品の耐用年数は、とっくに過ぎています。安全第一です。最悪は火を噴いて、火災の原因になります!ご注意ください!

2.まず簡単な清掃をしましょう。コンプレッサーがあれば圧縮空気で埃をとばせるので簡単なのですが、普通は古い歯ブラシなどで埃を取りましょう。

3.必ずシャーシーを取り出して、シャーシー内部の様子を観察しましょう。シャーシーを取り出す前に、ダイアル指針を外さないとダイアル糸が切れるので注意が必要です。焦げた部品、膨れたコンデンサーなどは注意。

4.出来ればペーパーコンデンサーと電解コンデンサーは全数交換した方が精神衛生上好ましい。最低、出力管の結合コンデンサー、AVC回路のコンデンサー、電源の1次側のコンデンサーは必ず交換してください!

5.ペーパーコンデンサーや、オイルコンデンサーなどはフィルムコンデンサーに、抵抗は金属皮膜抵抗に交換しますが、耐圧や電力には、十分余裕を持った物を使うと安心です。

6.電源を入れる前にテスターで電源コードの導通を確認しましょう。トランス式では数十Ω、トランスレス機では100数十Ωであれば良い。ついでに電源スイッチを入り切りして、スイッチの接触不良がない事を確認します。

7.いよいよ通電ですが、通電時にはトランス式の場合はまず真空管を挿さずに通電し、豆球の点灯と、トランスの電圧を確認します。スライダックがあれば、徐々に電圧を上げるのが望ましいです。

8.次に整流管以外を挿して、ヒーターの点灯状況と、消費電流を計測します。問題がなければ、テスターでB電圧を計測しながら、整流管も挿して本格的な通電試験です。

9.状態のいいラジオなら、スピーカーから何か音が出てきて、チューニングを回すと放送が聞けるのですが(もちろんアンテナを伸ばした状態で)、そうでない場合はまず故障原因が低周波部と高周波部のどちらにあるのか見極めなくてはなりませんね。まず、スピーカーからかすかなハム音が聞こえている場合は、PUに切り替えて、PU端子を指で触れてみましょう。「ブー」という大きな音が出れば低周波回路はほぼ正常でしょう。

10.一応放送が聞こえるけど、音が低いとか感度が悪いなどという場合の原因として考えられるのは、マジックアイが閉じるのに音が低いのは、B電圧が何らかの原因で低かったり、出力段の結合コンデンサー(0.01μF)の絶縁不良、低周波増幅段のプレート負荷抵抗(250KΩ)の断線、ボリュームの不良、真空管のエミ減(寿命)などが考えられます。特に整流管や出力管が弱いです。手持ちがあれば交換してみましょう!マジックアイが閉じなかったりして感度が悪いのは、各種調整箇所(IFTやパディングコンデンサーなど)の調整不良、IFTが不良などが原因です。

11.ボリュームの接触不良やガリはサンハヤト社製の、接点復活剤で清掃か交換が必要です。ただし接点復活剤は、ロータリーSWに塗る時には注意が必要です。B電圧が掛かる部分に塗るのはやめましょう。絶縁不良を起こす場合があって、お勧めできません。

12.電源スイッチや電源コード&プラグなどは、安全上重要な部品です。古い物は見た目は大丈夫そうでも、絶縁が悪くなっている場合があります。自分は安全の為に電源コード&プラグは、出来るだけ交換し、電源スイッチなどトータルの絶縁は、工事用メガテスター(絶縁抵抗測定装置)などで、DC500Vを印可して、絶縁をチェックしております。

13.地方の方で、パーツの入手がお困りの方は、電子部品専門のコンビニ、マルツパーツ館WEB SHOPが便利でしょう!真空管や特殊なラジオの部品は、国産アンティークラジオ専門店の「ばざーら」でほとんどの部品が入手出来ます。僕の紹介であると店長に告げると、安くサービスしてくれます!

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