M-44修復記3


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<210番のラジオの修復内容詳細>

1.修復前の様子。(写真1)使用真空管は、UY−24B(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−112B(整流)である。昭和10年頃のラジオである。この形式のラジオは売れたのであろうか?これで3台目の修理である。回路図も前回の修理時に作っている。

2.修復前の内部様子。(写真2)整流管だけがナス管なので、他は交換されたのであろうか?内部は所々配線が外れているらしい。電源コードは依頼主の方が切断したとの事でした。

3.銘板もご覧の通り綺麗に残っている。(写真3)どちらかと言えば、トランスの銘板だが・・・!

4.修復前のシャーシー上部の様子。(写真4)依頼主の方が、有る程度清掃したそうで、埃は少ないが、全体的に錆が出ている。シャーシー上部に有るはずの段間の低周波トランスが、断線したのか外されCR結合になっている様だ。またアンテナコイル(並四コイル)も交換された物らしいが、残念ながら、あちこち断線している。

5.修復前のシャーシー内部の様子。(写真5)中央に大きく四角く見えるのは、ブロック型のペーパーコンデンサーである。この大きさで容量は僅か9μFである。

6.マグネチック・スピーカーのコイルは、残念ながら断線していたので、巻き直しが必要である。(写真6)巻き直しは結構、面倒な作業である!

7.シャーシーは再塗装の為に、完全に分解しました。(写真7)サンダーで錆を落としてから再塗装に掛かります。他の部品も洗える物は洗って、再塗装に備えます。

8.シャーシーの再塗装が完了したところ。(写真8)綺麗になりましたね!

9.再塗装した主要部品を取り付けたところ。(写真9)これから配線に取りかかります。どうです?前の写真と比べてみてください!

10.キャビネットは洗浄し、サランネットを張り替え、飾り金具も再塗装してご覧の様に大変綺麗になりました。(写真10

11.マグネチック・スピーカーのコイルは巻き直しが完了しました。(写真11)このボビンは一体型ではなく、巻線機に取り付けられない構造だったので、手巻きで巻いたので時間と手間が掛かりました。

12.電気配線の修復が完了したところ。(写真12)すべての配線をやり直し、断線していた低周波トランスも取り付けました。再生コイルも断線箇所を修復しました。部品も新品なんで安心です。残念ながら、やはり電源トランスの絶縁が20MΩ程度と干低いです。(電気用品安全法では10MΩ以上なんで、大丈夫なんですが・・・。)

13.修復が完了したところ。(写真13)若干、再生が強めで発振気味である。真空管は試験しましたが、概ね良好でした。アンテナコイルが交換されているのが原因か、受信周波数範囲が若干狭い様だ。それでは蘇った戦前のラジオの音を、お楽しみください。


パソコン版の詳細な修復内容はこちらです。(PC版なので、携帯からは重たいです!注意!)

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