吉田式スタンドラヂオ修復記


真空管ラジオ修復記モバイル > 吉田式スタンドラヂオ修復記

<197番のラジオの修復内容詳細>

1.修復前の様子。(写真1)使用真空管はUY−24B(高周波増幅)、UY−24B(検波&低周波増幅)、UY−47B(電力増幅)、KX−12F(整流)である。こちらも、いつもお世話になっている国産真空管ラジオ専門店の「ばざーら」さんからの修理依頼品である。(ここからは、いつも珍しいけれども修理が難しいラジオが多くやってくるのである・・・。)ところで吉田さんって誰?

2.修復前の内部様子。(写真2)昭和10年頃65円で販売されていた高級ラジオだそうである。なんでも鑑定団でも高価な値段が付きましたね!!!(あえて値段は伏せておきます?)4本の柱の中に、真空管が配置されているので、配線に多少の無理があるかな?依頼主の方が修理をしている途中で、解らなくなって「ばざーら」さんに修理依頼を頼んだらしい。内部のコンデンサー等は、現代の部品を内部に仕込んだらしいが、どこまで・・・?

3.2つのスイッチはラジオと電気スタンドらしい。(写真3)スイッチの下側には見えにくいがロゴが見える。右がランプ、左がラジオであるが、このスイッチは依頼主の方が新たに取り付けたみたいであるが、穴とスイッチの径が合っていないので、径の合うスイッチに取り替えた。

4.上部の電気傘の中に、スピーカーと中央に電球のソケットが配置されている。(写真4)傘をかぶせると、それぞれの接点が接触する仕組みらしい。(笠をひっくり返して見た様子)

5.なんとマグネチックスピーカーのU字型の磁石とコイルが、スピーカーのコーン紙の内側に配置されている!(写真5)残念ながら、コイルは断然していたので、巻き直しする事になる。

6.4方の柱の中に真空管が配置されているのだが、ネジの蓋を開けても、真空管が長すぎてうまく取り出せない!(写真6)保守がしにくいのである。ネジ手前の切り欠きから、真空管の足を外に出すみたいであるが・・・。12Fは背が高くて、どうしても取り出せない!?

7.後ろ側には、アンテナとアース端子、ピックアップ端子が見られる。(写真7)内部では、ピックアップの配線は繋がっていなかった。何故???

8.同調のバリコンは2連ではなく、高周波増幅と検波回路の同調をそれぞれ調整する為、2つのバリコンからツマミが出ている!(写真8)高周波増幅段のゲイン調整による音量調整ボリュームは、ランプのちょうど反対側に取り付けられている。

9.上部のスピーカー部分を分解したところ。(写真9)良く見るとスタンドの電球へ行く線が配線されていないのである。何故???コイルが断線していたので、巻き直しを実施しました。スピーカーへの配線も、本来の接点へ繋がっていない。何故???解らない事だらけのラジオである!

10.中央手前の2個の四角い物がバリコンである。(写真10)エアーバリコンではなく、現在のポリバリコンの様な物である。コンデンサー類は、依頼主の方が現在の新しいコンデンサーを、古い当時のコンデンサーの外装で覆って交換したそうなので、不安であるがこのままとする。ブロック型コンデンサーも内部に新しいケミコンが挿入されていたが、念のために調べたら、1個間違えがあった。確認して本当に良かったです。抵抗類や配線は当時のままなのが不安であるが・・・!おまけにヒューズさえ付いていない。ああ、恐ろしや〜!(当然、ヒューズは追加しておきました!)

11.修復が完了したシャーシー内部の様子。(写真11)若干の配線ミスを修正しました。通電試験まで時間が掛かったのは、電源の1次側のラインの片側がシャーシーと導通が有ったり、他の安全上の問題解決の為にいろいろと手間取ったからです。すべて対策してやっと通電試験しましたが、うまく鳴ってくれません。よくチェックすると、配線の1本が半田が取れていました。直してやっと動作しましたが、再生回路が無いし同調も1段目と2段目が別々なんで、苦労しました。

12.修復が完了したところ。(写真12)アンテナ線を2〜3m伸ばさないとうまく受信してくれません。ラジオとしてはあまり実用的ではないですね。ランプを点灯すると、雰囲気は良いのですが・・・。

パソコン版の詳細な修復内容はこちらです。(PC版なので、携帯からは重たいです!注意!)

真空管ラジオ修復記モバイルトップページに戻る


inserted by FC2 system