TV−7/U真空管試験器


(続)真空管ラジオ修復記 > TV−7/U真空管試験器

真空管試験器の定番と言える、HICKOK社製の米軍向け仕様のTV−7/Uをやっと入手出来ましたので 紹介します。これは1960年代に、米軍が戦場で使用する電子機器の真空管の可否を判定するために、簡便および堅牢に作られた真空管試験器で、戦後米軍の払い下げ品がかなり日本でも出回りましたが、最近はかなり数も減って高価になって来ています。最近出品されたオークションでは、何と20万円以上の高値で落札されていました!


真空管のgmが測定できる、真空管試験器のスタンダードである。米軍仕様の堅牢な作りで定番がある。今までは真空管のエミッションのみが試験できるNRI−70真空管試験器を使用していました。TV−7/Uは以前から欲しかったのですが、高価でなかなか購入出来ませんでしたが、やっと入手できました。


蓋を閉じると、アタッシュケース状になる。軍用なんで、いかにも丈夫そうである。


銘板はご覧のとおり。製造番号は5013である。


メーターの様子。目盛りは何故か120等分されている。


このパネルで、各真空管に合わせてスイッチを設定します。


スイッチの設定などは、上部パネルの本に記載がある。


側面のラベルには1960年9月6日に製造され、12月15日に校正された事が記載されていた。僕の生まれる前の製造であるが、ご覧のとおりかなり状態は良い!


内部の様子。ロータリースイッチと、ものすごい配線の量である。


内部には整流用の83と5Y3−GTが見られる。


頑丈なキャビネット内部には、回路図が貼ってある。


電源トランスの銘板。こんなにたくさんのタップと巻き線である。


当初はメーターに並列にケミコンが付いていたので、外して保護用のダイオードを取り付けましたが、回路図を見ると上側にケミコンが見られるが、この配線が外されており、修理で取り付けられたケミコンと解り、この後に取り付け直しました。


その後、内部の2本の整流管83と5Y3−GTをシリコンダイオードで置き換えた物と、mT管7ピンソケットの接触不良を防ぐ目的で、GT管のオクタルソケットをmT管7ピンに変換するソケットセーバーを入手しました。特にmT管7ピンは、ソケットの抜き差し回数が多くなるので、変換ソケットは消耗を防ぐ為に、有用です。


2本の整流管をシリコンダイオードに交換するのに、真空管の固定用のネジを外す為に上の基板を外しました。最初これが解らなく、いろいろと考えました。


2本の整流管を、シリコンダイオードに交換したところ。これで安定した測定結果が得られるはずです。


取り外した2本の整流管と、真空管の固定金具です。83は水銀ガスが封入された特殊な真空管です。この2本の整流管はそれそれ5V/2Aのフィラメント電流を消費していたので、これが無くなってトランスの負荷が軽くなり電圧が高めに出る様です。


TV−7/Uの電源電圧は115Vなので、この自作のステップアップトランスを使用します。これは出力110V〜120Vと、220V〜240Vを、トランスの入出力のタップを切り替えて、それぞれ4段階の電圧を出力出来ます。これは海外製のラジオ修理の為に製作した物です。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


匿名でも結構ですので、是非ともアンケートにご協力お願いします!また、ご意見ご感想はこちらまでお願いします。(こちらは匿名と携帯メールはご遠慮下さい!)

また、私のHP上で公開している写真、回路図、文章などの無断での2次使用はお断りします。一言メールにて断って頂ければ、一向にかまいません。以上、よろしくお願いします。(以前、文章をそのまま雑誌に転記された事、HPで無断使用された事がありますので・・・。)

inserted by FC2 system