レフレックスラジオを作ろう計画


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突然ですが、レフレックスラジオってご存じでしょうか?真空管が貴重で高価だった頃に、1本の真空管で高周波増幅と低周波増幅の2本分の増幅をしようという、虫の良い回路方式です。回路をうまく作らないと発振することがあったりするので、現在ではあまり見かけなくなった回路方式でが、昭和初期の真空管ラジオの創世記には、よく用いられた回路方式でした。今回は、このレフレックスラジオに関する本を2009年10月22日に、誠文堂新光社から「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」という書籍で出版することになり、原稿の一部の執筆を依頼されましたので、急遽製作することになりました。簡単に入手出来る部品を使って、誰にでも製作出来る様にしました。是非とも1冊ご購入をお願いします。


主要なパーツは入手し易い、いつもお世話になっているラジオ少年様で販売しているパーツを使う事にしました。使用する真空管は、何を使おうかな〜ぁ?


RFC(高周波コイル)は、東京ラジオデパート1階のアイコー電子等でも購入出来る、2.5mH,200mAの入手し易い物です。ラジオ少年様でも売っています。


電源トランスはラジオ少年のT-1Vです。1〜3球用の、使い易いトランスです。


アンテナコイルはラジオ少年のGE−210を使いました。400〜430pFのバリコン用です。レフレックス回路なんで、再生用の巻線は不要なので、ゲルマラジオ用のアンテナコイルを使用します。


エアーバリコンはラジオ少年のEタイプ(150+280pF)です。親子バリコンですが、並列に接続して430pFになります。


1:3の低周波トランスは、ラジオ少年のINT−1です。磁気シールドされているので、異常発振の防止に役立ちます。


検波用のゲルマニウムダイオード1N60です。今は製作されていませんので在庫限りですが、まだまだ入手は簡単です。東京ラジオデパートシオヤ無線でも売っています。


出力トランスは、ラジオ少年のOUT-1が使えますが、今回は手持ちの小型のを使いました。インピーダンスは5KΩ:8Ωです。


最後に回路を考えて、真空管を選定しました。複合管の6BM8と、整流管の5M-K9を使う事にしました。5M-K9は貴重ですが、僕の所に新品を含めてたくさん在庫がありますので・・・。もちろん6X4を使っても、ダイオードで整流してもOKですが・・・。


今回使用する部品を集めたところ。金額的には、1万円ちょっと?


前面パネルのスピーカーの大きな穴は、円周の内側に沿って、切取線の様にドリルで穴を開けて、ニッパーでそれぞれの穴の間を繋げて切り取り、最後にヤスリで綺麗に仕上げます。


前面パネルの加工が終了したところ。綺麗に作るにはコツが必要です。


シャーシーの穴開け加工が終了したところ。シャーシーはリードP−1を使いました。また、真空管の大きな穴は、ホーザンのシャーシーパンチセット、K−83を使うと、綺麗に簡単に穴が開けられます。異常発振を防止する為に、部品の配置は信号の流れに出来るだけ沿う様に配置しなければなりません。また部品同士の干渉も考慮しなければなりません。


前面パネルは黒く塗装しました。少し高級に見える?


シャーシーに部品を取り付けたところ。部品の干渉もなく、無事に取り付けられました。


配線前のシャーシー内部の様子。配線が楽しみです!


シャーシーのリアビュー。なかなか格好いいかしら?(自己満足?)


フロントビュー。スピーカーグリルには、リードのパンチングプレート、H−4を使いました。


配線が完了したところ。回路的には、部品が少ないのですっきりしています。


真空管辺りの配線の様子。レフレックス回路なんで、発振には気をつけないといけません。


斜めから見たところ。部品の配置や配線の取り回しには、気をつけたつもりです。


受信してみたところ。お陰様で異常発振も起こらず、1発で放送が受信できました。レフレックス回路なんで、感度は並四程度と、あまり良くありませんね。当方は強電界なんで、良いのですが・・・。


真空管のほのかの光が楽しめます!


完成して鳴らしてるところ。タイトルやスイッチの表示には、自分が好んで使うコムデック社製のタラコ銘板を使用してみました。これはなかなか便利で綺麗に仕上がります。では、本の発売をお楽しみに・・・。(回路図等は本に記載したいと思いますので、買ってくださいね!)


その後、上部に保護カバーを取り付けてみました。なかなか素敵です!

以上、製作作業時間は約14時間、製作費用は約12,000円でした。2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」という本に掲載されますので、発売されましたら是非ともご購入くださいね!よろしくお願いします。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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