古い測定器紹介


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平成27年一杯で閉店する”ばざーら”さんから、在庫整理で古い測定器を譲って頂き、レストアが完了しましたので紹介します。古き良き時代の計測器ですね。どれもしっかり丁寧にに作られています。日本の物作りの原点が見えました。


これはスーパーラジオに使われているIFT(中間周波トランス)の周波数特性を測定する装置です。


昭和50年代の目黒電波測器製、MSW−721Dという機器です。AM系の455KHzのIFTと、FM系の10.7MHzのIFTの周波数特性が計測できます。


こんな感じで、周波数特性が計測されます。


昭和54年2月2日に校正された様です。



こちらはニキシー管を使用した周波数カウンターです。昭和47年製造の岩崎通信機製、FC−5131という機種です。そういえば、以前にニキシー管時計を作った事があります。


周波数は9999.9KHz(約10MHz)までしか計測出来ません。オールゲルマニウムトランジスター製で、ICなどの集積回路は一切使用しておりません。トランジスターは全部で120石以上使用されています。当時は高かったんでしょうねー?


銘板には、何故かFC−01形周波数計と記載があります。こちらが正式名称でしょうか?


内部の様子。丁寧な作りです。


この基板1枚でニキシー管1桁分です。この基板が5枚で5桁の表示をドライブしています。この1枚の基板に、トランジスターが20石使われています。右端のトランジスター10石が数字のドライブ用、下側の8石が4ビットのフィリップフロップ回路のトランジスターです。



次はFM放送波の発生器です。発振周波数は75〜110MHzと、何と今流行のワイドFM帯域にも対応しています。中間周波の10.7MHz±1MHzの発振も出来ます。


目黒電波測器製のMSG−276Aという機器です。変調は内部と外部に切り替えが出来、周波数も5MHz毎に水晶発振で校正できます。


内部の様子。全てディスクリートのトランジスター製です。でも電源トランスには、210V端子と6.3V端子がありましたが、使われていないみたいです。管球用のトランスの流用でしょうか?


真ん中の巨大シールドケースは2重構造になっており、内部に発振回路が組み込まれていました。丁寧な作りですね!



これは三和の発振器です。いかにも発振器ってデザインですね!発振周波数は300〜800KHz、2.5〜7MHz、10〜30MHzと、周波数は連続していない。AM変調が出来れば、ラジオの修理に使えるのですが・・・。出力がBNCではなく、2Pのメタルコンセントなんで不便です。


おやおや、内部は真空管式でした。てっきりトランジスター回路だと思ってましたが・・・。使用真空管は6X4、02BWA、6AL5、6J6、不明のGT管であった。2連バリコンが見られるが、何故2連が必要なんでしょうか?


シャーシー内部の様子。さすがにペーパーコンデンサーは使用されていないが、オイルコンデンサーは使われていたので交換した。ケミコンも漏洩電流が大きく危険なので交換しました。


パネルには、この様に記載されている。三和無線計測製のSW−101Bという機種である。波形をオシロスコープで観察したが、あまり綺麗ではなかった。


3番の周波数目盛りのみ、2倍の高調波目盛り(?)が振られている?何故?



これは横河電気製の精密直流電圧計TYPE−2011です。測定レンジは、0.3V,1V,3V,10Vです。ただの電圧計にしては大きく重たいです。測定誤差は0.5%以内です。


内部の様子。重厚な作りである。


分圧の精密抵抗は巻き線式である。また普通の抵抗器も見られる。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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