ラジオ少年「KIT-210」作製記


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いつもお世話になっている札幌のNPO法人ラジオ少年で新しく販売された「KIT-210」というラジオを組み立てましたので、紹介します。


組み立て前の様子。ラジオ少年から新しく発売された、AM/FMのラジオキットです。3つのICを使ったラジオです。中学生以上を対象としているらしいですが・・・。


付属のプリント基板です。よく見ると一部欠けており、プリントのパターンが1カ所切れていました。中国的品質です。


これが付属している部品類です。抵抗やコンデンサーなどの過不足が有ると思いますので、必ず部品表とチェックする事をお勧めします。


このキットの最大の難関は、SOP16ピンのCD9088というFM受信用のこんな小さなICを、直接半田付けしなければならない事でしょう。これはかなりの半田付けの技量が必要です。中学生にはかなりハードルが高いと思います。半田吸い取り線をうまく使って半田付けするとうまくいくと思います。またICは熱や静電気に大変弱いので、手際よく半田付けする事も必要です。


この部分でパターンが切れていました。


FM受信用のICを半田付けしたところ。半田付けする前に、ICが動かない様に、両面テープなどで固定してから半田付けすると、ずれなくてうまくいきます。


基板が完成したところ。ダイアル部分の針の取り付けに注意です。


ケースに組み込んだところ。どのネジをどこに使うかとか、どの線をどこにつなぐかとか、考えなければなりません。


ダイアル目盛り板は最後に貼らないと、針の挿入に苦労します。ブランド名にPaenasonic(パエナソニック)と書いてます。どこかで聞いた名前と少し違っていますね(笑!)


完成したところ。AMはスーパーヘテロダインではなくストレートなんで、分離が悪く混信したりします。FMはコイルなど調整しないと、周波数が合っていません。L2を引き延ばす事と、バリコンのトリマーにて調整して、周波数目盛りが合いました。AMはストレート方式なのでそんなにシビアではありませんが、同じくバリコンのトリマーにて調整して良くなりました。


何故か余った部品。抵抗は値が違っていた物です。バネはどこに使うのか謎です。ネジはその後、ケースを閉じる前に基板を1カ所固定する為のネジと判明しましたが、バネは謎のままです。


回路図はこちらです。消費電流は20mA程度です。AMでもFMでも両方の受信回路に電流が流れているので、あまり省エネの回路ではありませんね。本当は片側のみ電流を流せば良いのですがね。付属の説明書のパターン図と部品表はこちら。ただし中国語で書かれています。安価ですが、ケースもしっかりしており、安っぽい作りでもなくそれなりに実用になるラジオだと思いました。みんさんも挑戦してみてください!

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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