究極のエコラジオ製作計画


(続)真空管ラジオ修復記 > 究極のエコラジオ製作計画


今年の冬は、真空管ラジオから発生する熱で(?)地球温暖化が加速し、全国的に雪が少なく暖冬傾向です!そこで地球温暖化を防止する切り札として、チーム・マイナス6%に参加している僕は、無電源で半永久的にスピーカーが鳴る究極のエコラジオを製作しようと計画したのでありました?暇になると、ろくな事を考えないな〜ぁ!



 無電源で半永久的になるラジオといえば、ゲルマニウムラジオ(鉱石ラジオ)ですが、イヤホンでしか聴くことができません。写真はおなじみラジオ少年様頒布のキットです。僕の所は、ローカル局の送信所から3Km程度しか離れていないのでそれなりに電界は強く、このゲルマニウムラジオでは2m程度のアンテナ線で、十分放送が楽しめます。


 内部はいたって簡単です。回路図はこちらです。このラジオも、夜中にオールナイトニッポン等の深夜放送を聴くには大変重宝していますが、イヤホンをして寝ながらベットの中で聴くのは、耳穴が痛くなってちょっとうざいです。便宜上、このラジオをバージョン1とします。そこで何とかスピーカーでゆっくり聴きたいと考え、無謀にも無電源でスピーカーが鳴る究極のエコラジオを製作しようと計画したのでありました。(本当かなぁ・・・?)これで夜中にイヤホンでラジオを聴いて、耳の穴が痛くならないで済みますし、電気代も一切掛かりません。(チーム・マイナス100%です!)真空管も使ってないので、地球温暖化も防止出来ます!どうです?(凄過ぎる・・・!)

 まず、無電源でスピーカーを鳴らすのには、それなりの電力を得る事が、必要です。その電力はどこから得るかというと、放送の電波から取り出すため、それなりの大きなアンテナとアースが必要になります。アンテナはとりあえず10m程度のビニール線を部屋の中に張りました。アースは電源コンセントのアース端子に接続しました。アンテナ線を長くすると、対地間の浮遊容量(寄生容量)の影響で、同調回路にずれを生じます。この影響を少なくするために、バーアンテナのアンテナ側のコイルを追加しました。回路図はこちらです。試しにスピーカーを繋ぐと、何とこれだけでも小さいながら、スピーカーから音が出ます。日中聞くのは物足りませんが、静かな夜にこっそりと枕元で聞くにはこれでも十分です。便宜上、このラジオをバージョン2とします。

 では、検波回路を、倍電圧整流回路にしたら、検波出力は約2倍になるので、もう少し大きな音が出るんじゃないでしょうか?回路図はこちらです。おお、それなりに効果はあります。これで、夜中に一人で聞くには十分な音量です。ガンガン鳴る訳ではありませんが、ゴソゴソと一晩中鳴っています。便宜上、このラジオをバージョン3とします。

 最後に、受信した電波を検波した時に得られる直流成分を電力として、ゲルマニウムトランジスター1石で増幅回路を働かせてみましょう!これは検波出力の直流成分が0.5V以上なければ十分動作しないので、十分な電界強度と長いアンテナが必要です。(シリコントランジスター使用時は、直流成分が1V以上必要なので、不向きです。)考えた回路図はこちらです。さっそく実験してみましょう。ちなみに中途半端な電界強度では、トランジスターがカットオフするので、全然音が出なくなります。便宜上、このラジオをバージョン4とします。


 内部を改造したところ。5ピンのラグ板を取り付けて配線を実施しました。従来のイヤホン式にも戻せる様に、イヤホンジャックも取り付けました。改造後は、検波出力から電源も取るので、大きなアンテナとアースは必須です。果たしてこれで本当にスピーカーが鳴るのでしょうかね?写真はバージョン4です。


 改造後の様子。2つのジャックはイヤホン用とスピーカー用です。従来イヤホンが出ていた穴から、アース線を出してあります。


 スピーカーは100円ショップで売っているテレビ用の手元スピーカーを用意しました。インピーダンスが8Ωではない場合がありますので、注意が必要です。これは何と32Ωでしたので、出力トランス側で調整しました。


無電源ラジオの心臓部となるゲルマニウムトランジスター(2SB475)とゲルマニウムダイオード(1N60)です。昔はトランジスターと言えば、こんな形状でしたね!今ではどちらも真空管並に貴重品です!?現在のシリコンダイオードやシリコントランジスターは、Vfが0.7V程度とゲルマニウムより高めなので、この無電源ラジオに使用するのには不向きです。念のため!


こちらはバージョン2を透明ケースに組み込みました。


バージョン2の内部の様子です。

 さて、バージョン1から、バージョン4までのラジオを比べてみました。僕の所は、ローカルの放送局の出力5KWの送信所から、直線距離で約3Kmの所にありますので、電界強度はまあ強い方なんですが、結論から言って、バージョン2でやや実用的な音が出て、バージョン3とバージョン4では、夜中にこっそりとラジオを聞くには十分実用的な音が出ました。バージョン3は倍電圧検波で増幅無し、バージョン4は普通検波で1石増幅ですが、僕の実験では、それ程差異は見られませんでした。実用的には、電波が弱い所でもそれなりの音が出る、バージョン3が実用的であると思われます。回路図はこちらです。バーアンテナはあさひ通信のSL-41GT,出力トランスは山水のST-32でも良いと思います。どちらも東京ラジオデパートシオヤ無線電機商会で入手できます。試してみてください。(ただしお住まいの地域の電界強度の強さによっては、十分な音量が得られない場合がありますので、ご注意ください。この回路図は動作の保証はいたしませんので、ご了解ください。)

PS.このラジオを枕元に置いてから、夜中にゴソゴソと一晩中ラジオが聞こえるので、夢の中でも放送を聴いてしまい、なんか寝不足になってしまいました。音を切れるスイッチを取り付ける事を、強くお勧めします!

ゲルマラヂオをつくりませう!へ続く・・・。

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